2009 Fiscal Year Annual Research Report
西南部アフリカ・半乾燥地域における気候変動とモパネ植生の動態、地域社会の脆弱性
Project/Area Number |
09J04063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤岡 悠一郎 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 人間-環境系 / ポリティカル・エコロジー / 気候変動 / 脆弱性 / 植生変化 / モパネ植生帯 / ナミビア / アンゴラ |
Research Abstract |
本研究は、南部アフリカに広がるモパネ植生帯における人間-環境系の持続性を、気候変動、植生の動態、地域社会の脆弱性という3つの視点から検討することを目的としている。研究実施計画では、一年目にあたる2009年度には、研究対象国であるナミビアおよびアンゴラにおいて予備調査を実施し、調査地の設定、気象データ収集、資料収集等を行い、またアンゴラの公用語であるポルトガル語の研修を行う予定としていた。当該年度は、モパネ植生帯に位置するナミビア、ザンビア、マラウイに渡航し、のべ7カ月におよぶ現地調査を実施した。ナミビアでは、調査地を設定し、前年度末に調査地周辺で発生した大洪水の影響を調査し、気候変動が現地住民の生活に及ぼす影響について検討した。数十年ぶりといわれる大雨洪水イベントの影響を明らかにできたことは、長期的な人間-環境系の動態を考える上で貴重なデータとなりうると考えられる。ザンビアおよびマラウイでは植生調査を実施し、ナミビアとの植生構造の比較を行った。また、マラウイでは、マラウイ森林研究所(FRIM)においてワークショップを開催し、現地研究者との意見交換を行った。それにより、ナミビアで起きている植生変化が、同じ植生帯に位置する他国と共通性があるのか、特異なものであるのかを検討することが可能となった。さらに、11月にはポルトガルに渡航し、現地の語学学校でポルトガル語の研修を実施し、またアンゴラの資料収集を行った。それにより、来年度以降のアンゴラでの現地調査の準備が進展した。
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Research Products
(3 results)