2010 Fiscal Year Annual Research Report
西南部アフリカ・半乾燥地域における気候変動とモパネ植生の動態、地域社会の脆弱性
Project/Area Number |
09J04063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤岡 悠一郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 気候変動 / 脆弱性 / 植生動態 / 半乾燥地域 / モバネ植生帯 / 人間-環境系 / ナミビア / 南アフリカ |
Research Abstract |
本研究は、南部アフリカに広がるモパネ植生帯における人間-環境系の持続性を、気候変動、植生の動態、地域社会の脆弱性という3つの視点から検討することを目的としている。モパネ植生帯は南部アフリカの8ヵ国にまたがって分布しているが、本研究では主にナミビア共和国とアンゴラ共和国を対象としている。2010年度は三回の現地調査を実施した。一回目の調査は4月1日から4月6日までナミビアに滞在した。一昨年、ナミビアの調査地周辺では記録的な大雨が降り、数十年ぶりの大洪水が押し寄せ、農作物に大きな被害を与えた。今回の調査では、その後、農民がどのように洪水の被害に対して対処したのかを聞き取り調査によって明らかにし、気候変動と地域社会の脆弱性という観点に関するデータを得た。二回目の調査は4月27日から5月19日までナミビアで実施した。この時期は雨季の終わりであり、作物の収穫期にあたる。現地では、作物の収量調査を実施し、一昨年の洪水時との収穫量の差異を明らかにし、降水量の経年変動が農民の生活に与える影響について検討を行った。三回目の調査は2010年10月20日から2011年3月6日まで、ナミビアおよび南アフリカ、ジンバブウェにおいて実施した。南アフリカおよびジンバブウェにはモバネ植生帯が含まれており、ナミビアと気候環境、植生環境が類似する地域が分布している。これらの地域において、植生調査および農民の自然資源利用に関する調査を実施し、ナミビアとの比較を行った。残りの期間はナミビアの村落に滞在し、集中的なフィールドワークを行い、人々の生業や樹木利用に関する聞き取り調査、植生調査などを実施し、近年の植生変化の実態や地域社会の脆弱性についてデータを収集した。なお、アンゴラへの渡航を2011年3月に予定していたが、大使館の汚職調査にともなう一時的な業務停止により、渡航が不可能となった。
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Research Products
(3 results)