2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04222
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
天羽 龍之介 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 手綱核 / ゼブラフィッシュ / セロトニン / 縫線核 / 中心灰白質 |
Research Abstract |
本年度は電気生理学実験系の確立に加え、ゼブラフィッシュ手綱核の神経回路の解剖学的全体像の解明を目指し、以下の成果を得た。 1、ゼブラフィッシュにおける哺乳類外側手綱核の同定 ゼブラフィッシュでは手綱核-脚間核経路が明らかにされているが、哺乳類外側手綱核に相当する神経回路は認められていなかった。しかし、縫線核のセロトニン神経細胞を直接制御する重要な役割を持つ哺乳類外側手綱核の有無の確認は本研究の仮説である手綱核による二者択一的行動制御とその機構の検証に必須である。 縫線核へと投射するか。遺伝子発現が哺乳類外側手綱核と一致するか。この二点を基準にゼブラフィッシュ外側手綱核相同領域を探索した。逆行、順向性の神経細胞標識及び電気穿孔法を用いた遺伝子導入による神経細胞の可視化により、ゼブラフィッシュ腹側手綱核が縫線核に選択的に投射していることを見出した。また、腹側手綱核には手綱核全体のマーカーであるbrain-specific homeobox/POU domain protein 3a、哺乳類外側手綱核のマーカーであるprotocadherin10のorthologueが特異的に発現することを明らかにし、ゼブラフィッシュに哺乳類外側手綱核相同領域が存在することを報告した(Amo et al., 2010)。この結果は当該研究に貢献するのみならず、遺伝子操作が容易で発生及び神経活動の可視化に優れたゼブラフィッシュが哺乳類外側手綱核の発生、機能研究のモデルとして有用であることを示した。 2、ゼブラフィッシュにおけるテトロードによるマルチユニット記録システムの確立 手綱核から脚間核への神経伝達様式の解明には複数神経細胞の発火を同時に計測するマルチユニット記録が有効と考え、ゼブラフィッシュ成魚においてテトロードを使用したマルチユニット記録の系を確立した。
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