2010 Fiscal Year Annual Research Report
FPGAを用いた多自由度実世界ハプティックデバイスの開発
Project/Area Number |
09J04578
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 裕之 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハプティクス / FPGA / 力覚情報 / 非可逆圧縮 / 三角関数 / CORDIC |
Research Abstract |
力覚通信システムにおける非可逆圧縮を提案,実現した。力覚通信に代表されるハプティックシステムは,ハードリアルタイム性を強く要求するシステムである。そのため,本研究では,力覚情報を圧縮,伸長をFPGA (Field Programmable Gate Array)上で行った。これにより,デバイスを制御するバイラテラル制御と,エンコード,デコードを並列で演算が可能となり,制御周期への影響を最小限に抑えることができた。本手法では,FPGA上に実装することを考慮して整数離散コサイン変換を用いて時間一周波数変換を行った。この非可逆圧縮手法を用いることで,力覚通信における通信されるデータサイズを削減させることに成功した。また,力覚情報のパワースペクトラム密度を比較することで,非可逆圧縮を施しているのにもかかわらず,0-200Hz程度の帯域において力覚情報の劣化がほとんど見られないことを確認した。 さらに,多自由度ロボット制御にFPGAを用いる場合の三角関数の実装に関する検討を行った。本研究では,CORDICおよびテイラー展開に基づく余弦関数および正弦関数の実装をおこない,近似精度,レイテンシ,必要なリソース,および動作周波数の観点から比較をおこなった。本研究の成果は,あるロボットシステムのコントゴーラをFPGA上に実装する際の実装手法の目安となる。
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