2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04584
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中尾 亮 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 心水症 / E.ruminantium / LAMP法 / 遺伝子型別 / MLVA法 / 次時代シーケンサー / SNP / ゲノム比較解析 |
Research Abstract |
【Ehrlichia ruminantium遺伝子検出法の開発】ウガンダ・タンザニア・ザンビア・ガンビアの心水症流行国で採取した家畜血液・媒介マダニサンプルを用いて、昨年度開発したE.ruminantiumを特異的に検出するLAMP法の有用性を評価した。その結果、PCR法よりも多くの陽性検体を検出し、また不顕性感染個体の血液からも検出が可能であったことから、本LAMP法は疫学研究ならびに感染家畜の診断・摘発に有効な手法であることが示された。本研究結果は、国際学術雑誌BMC Microbiologyに掲載された。【E.ruminantium遺伝子型別法の開発】昨年度開発したMLVA法を用いてウガンダの心水症流行地で採取されたマダニから検出したE.ruminantiumの遺伝子型別を行った。その結果、本法は既存の遺伝子型別法(PCR-RFLP法)に比べ詳細な型別が可能であり、クラスター解析によって株の分離地の推定にも応用できることが示された。今後、ワクチン導入前における野外株の集団遺伝学的解析に活用することで、流行地での有効なワクチン処方に貢献することが期待できる。【E.ruminantiumのSNP解析】次世代シーケンサー(Illumina Genome analyzer II)を活用してE.ruminantiumの西アフリカ由来株(Sankat、Pokoase、Kerr Seringe株)のゲノムを解読し、reference-guided assembly法によるマッピング後、各株に特異的なSNPを検出した。今年度、Sankat、Pokoase株の分離された地域(ガーナ)での野外株採取を計画しており、今回得られたSNP情報を野外におけるE.ruminantium株間の遺伝子相同組み換え、各遺伝子の進化速度の評価に活用する予定である。
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Research Products
(6 results)