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2009 Fiscal Year Annual Research Report

イオン濃度と電極をあらわに考慮した酸化還元反応の理論的研究

Research Project

Project/Area Number 09J05094
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

飯田 健二  Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords溶液内化学反応 / 濃度依存性 / 並進エントロピー / 二酸化炭素吸着 / エタノールアミン / RI SM-SCF / RISM / 電子状態計算
Research Abstract

濃度とは自由エネルギーを支配する重要な因子であり、化学反応を理解するにあたりその役割を解明することは不可欠である。Debye-Huckel理論は濃度依存性を記述する最も代表的なものである。だが、この理論では単原子分子からなる電解質の濃度依存性すら十分に説明できない。そこで、自由エネルギーを構成する重要な要素であるエントロピーに注目した。Paulaitisらにより得られた式を拡張し、濃度をあらわに考慮した溶媒和構造と並進エントロピーの関係式を導出した。溶媒和構造はRISM理論により計算し、それと得られた式を用いて、並進エントロピーの濃度依存性を算出した。得られた結果は自由エネルギーの濃度依存性とも対応していた。Debye-Huckel理論では説明できなかった、溶質分子のサイズに対する依存性、濃度増加に伴う不安定化について、分子論的知見を得ることに成功した。このことは、エントロピーのみならず、自由エネルギーの濃度依存性について、新たな知見を得たという点で意義深い。
次に、エタノールアミンによる二酸化炭素の化学吸着反応の機構を検討した。この反応は気相中では進行しない事が理論的に示されており、水和が重要な役割を果たしていると考えられる。一方、化学反応を記述するのは電子状態変化である。従って、溶媒和が電子状態に如何なる役割を及ぼすのかを解明することはこの反応を真に報解する上で不可欠である。そこで、溶媒の分子性を考慮しつつ、溶質の電子状態を扱うことが出来るRISM-SCF-SEDD法を用いてこの反応を検討した。その結果、反応に伴う水和構造の変化が一連の自由エネルギー変化を支配していること、それに伴う電子状態変化を水和が促進していることを明らかにした。この結果は溶液内化学反応の本質を解明する糸口となるものであるという点で意義深いといえる。

  • Research Products

    (6 results)

All 2009 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Carbon dioxide capture at the molecular level2009

    • Author(s)
      K.Iida
    • Journal Title

      Physical chemistry chemical physics 11

      Pages: 8556,8559

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 単原子分子水溶液の並進エントロピーの濃度依存性における水の役割2009

    • Author(s)
      飯田健二
    • Organizer
      第32回 溶液化学シンポジウム
    • Place of Presentation
      新潟
    • Year and Date
      2009-11-18
  • [Presentation] LiI,NaI,KI水溶液の並進エントロピーの濃度依存性~水の役割~2009

    • Author(s)
      飯田健二
    • Organizer
      第3回 分子科学討論会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      2009-09-22
  • [Presentation] Insight on carbon dioxide capture at molecular level2009

    • Author(s)
      飯田健二
    • Organizer
      EMLG-JMLG Annual Meeting 2009
    • Place of Presentation
      Austria, Salzburg
    • Year and Date
      2009-09-07
  • [Presentation] 水中でのエタノールアミンによる二酸化炭素の回収2009

    • Author(s)
      飯田健二
    • Organizer
      第12回 理論化学討論会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2009-05-29
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.moleng.kyoto-u.ac.jp/~moleng_02/member/iida.html

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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