2011 Fiscal Year Annual Research Report
MAPキナーゼカスケードとHippo経路のクロストークの解明
Project/Area Number |
09J05258
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮竹 功一 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | MAPキナーゼ / Hippo経路 / ERK7 / Xenopus / 繊毛 |
Research Abstract |
昨年度の解析でERK7がアフリカツメガエル胚の表皮に存在する多繊毛細胞で高い発現を示したことから、本年度、私はERK7のノックダウンが繊毛に影響を与えるかどうかを調べた。その結果、ERK7のノックダウン胚ではこれら多繊毛細胞の繊毛の運動性が失われていることが分かった。繊毛のmarkerであるacetyl atedalpha-tubulinに対する抗体を用いて抗体染色を行った結果、ERK7をノックダウンした胚では繊毛の形成不全が引き起こされていることが分かった。これらの結果はERK7が繊毛形成に不可欠な遺伝子であることを示している。繊毛は細胞内の様々なシグナル伝達経路の制御に関わっており、また繊毛関連タンパク質NPHP4がhippo経路を負に制御にすることなどが報告されていることから、ERK7が繊毛形成を介してHippo経路を制御する可能性がある。さらに私は、これまでERK7が関わる分子機構についてはほとんどわかっていなかったため、Yeast-two hybrid assayを行いERK7と結合する因子の探索・同定を行った。その結果、ERK7と結合する候補遺伝子として、Sav1とStk381が同定された。Sav1はHippo経路の主要因子の一つであり、Mst1/2が下流の因子であるLats1/2を活性化するのを助けるscaffoldタンパクである。Stk381はHippo経路の主要因子の一つであるLats1/2と同じNDR/LATSkinasefamlyに属するリン酸化酵素である。この結果はERK7が直接hippo経路の構成因子群と結合することで、Hippo経路を制御する可能性を示唆している。Savlタンパクが関わる分子メカニズムはこれまであまり知られておらず、この結果はその分子メカニズムの一端を解明する可能性があり非常に意義がある。
|
Research Products
(2 results)