2009 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物におけるtRNAスプライシングエンドヌクレアーゼの基質認識機構の解析
Project/Area Number |
09J05512
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
小野寺 瑛宣 Rikkyo University, 理学部, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | transfer RNA / tRNA splicing endonuclease / Cyanidioschyzon merolae |
Research Abstract |
tRNAスプライシングエンドヌクレアーゼはpre-tRNAに存在するイントロンの切断を行う酵素である。本研究はC.merolaeのtRNAスプライシングエンドヌクレアーゼを取得し、エンドヌクレアーゼのイントロン認識機構を解明することを目的として行った。 まず、C.merolaeのゲノム配列から酵母のtRNAスプライシングエンドヌクレアーゼ遺伝子であるSen2、Sen15、Sen34、Sen54に相同性がある遺伝子の検索を行った。その結果、3種の遺伝子を見出し、それぞれCmSen2,CmSen34,CmSen54と命名した。Sen15の相同遺伝子は見いだされなかった。 次に、大腸菌内で自的のタンパク質を大量に発現させるため、タンパク質発現用のプラスミドに各遺伝子をクローニングした。複数の条件でタンパク質の発現誘導を行った結果、低温条件下での発現誘導系を用いた場合にCmSen2、CmSen34が可溶性のタンパク質として得られることを見出した。発現したタンパク質にはあらかじめHis-tagが付加してあるため、ニッケルカラムを用いた精製を行った。その結果、CmSen2および、CmSen34タンパク質を精製することに成功した。現在は精製したタンパク質がヌクレアーゼ活性を持つかどうかについての確認を進めている。 CmSen54は大腸菌細胞内での発現量が低く、わずかに発現したタンパク質も不溶化してしまうため、現在までにタンパク質の精製には至っていない。この原因としては、CmSen54の遺伝子配列中に大腸菌で翻訳の効率が低いレアコドンが含まれていることが影響している可能性が考えられる。そこで、発現量を増やすために、CmSen54遺伝子のレアコドンをなくすような塩基配列の改変を行っている。
|