2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ胸鰭上皮形成の発生・進化メカニズム
Project/Area Number |
09J05636
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢野 十織 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 鰭 / 四肢 / 発生 / 進化 |
Research Abstract |
当該研究課題の目標は、魚類胸ビレの発生・形態形成を広く明らかにし、相同器官である四肢動物の手足との相違点を見い出すことにある。特に胸ビレの発生では上皮の形態形成が特徴的であることから、本年度は主に胸ビレにおける上皮の役割について研究を行った。 ○胸ビレ上皮の構造と役割 これまで詳細に観察されてこなかった上皮構造、特にヒレの発生に必須な末端の上皮(AER,AF)構造について組織学的解析・遺伝子発現解析・遺伝子調節領域の探索・微細操作実験等の様々なアプローチを用いて研究を行った。これらの結果はヒレの発生を特徴づける多くの情報を得るに至った。特にヒレ発生における上皮シグナルの重要性を見い出したが、これは四肢発生との相違点を議論するうえで有用なデータである。本年度はこの成果を5回の学会発表で報告した。特に9月の国際学会発表や3月のCDB国際シンポジウムにおいては海外研究者たちと英語による議論を行い、本研究の重要性を再認識することができた。また担当教員(田村教授)による学会発表(2回)の際には本研究データを用いた共著発表として成果報告が行われた。胸ビレ上皮形成に関する本研究はデータもまとまり、2010年度には論文として公表を行う予定である。また複雑な上皮形態を解明するための遺伝子・遺伝子ネットワークについても手がかりを得つつある。 ○胸ビレ間充織の性質とその発生 ヒレの特徴的な発生においては上皮シグナルが必須であることが上記のように明らかとなったが、この上皮に応答するのがヒレ間充織である。ヒレ間充織を解析する準備として本年度は国立遺伝学研究所との共同研究(代表:川上浩一先生)を行った。ここでヒレ間充織特異的なエンハンサー活性を可視化するトランスジェニックフィッシュを作成し、1回の学会発表により報告を行った。
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Research Products
(9 results)