2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05854
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 佳奈 (田辺 佳奈) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 液晶 / イオン液晶 / 蛍光 / 分子内電荷移動 |
Research Abstract |
レドックス活性材料は、刺激により導電性や色調変化など、物性を可逆にスイッチングできる材料として注目を集めている。ここに液晶の秩序構造を導入することによって、レドックス刺激により新たな光・電子機能性を協調的に発現するソフトマテリアルの開発を行うことを目的として行ってきた。そのためには、レドックス活性部位を担う分子に、同時に電解質構造もたせることが重要であると考え、本年度においては、電子活性なイオン液晶を新規に設計・合成し、その液晶性や発光特性、電気化学的特性について検討した。具体的には、電子アクセプター性を有することで知られているピリジニウム塩に着目した。長鎖アルコキシ基を有するピリジニウム塩を合成した。これらの分子はカラムナー液晶性を示し、さらに、通常のπ共役分子とは異なる、特徴的な発光特性が得られた。この特異な発光特性は、分子内電荷移動に因るものであると考えられるため、化合物の電子ドナー性、アクセプター性を様々に変化させて発光特性を検討した。具体的には、電子ドナー性置換基の位置や、電子アクセプター性のヘテロ環の種類をピリミジニウム塩、キノリニウム塩へと変更した分子を新規に設計、合成した。これらの化合物は広い温度範囲でカラムナー液晶性を発現し、また、液晶状態でも溶液中と類似の発光特性を有することがわかった。蛍光寿命測定を行ったところ、これらの発光が2成分の発光種を有することがわかった。このことから、クロモファー間の相互作用について考察を行った。
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Research Products
(5 results)