2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子を用いたIn vivo非侵襲的RNAリアルタイムイメージング法の開発
Project/Area Number |
09J05901
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 高史 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNA / 非侵襲イメージング / 発光 / Luciferase / ARM peptide / complementation |
Research Abstract |
本研究では細胞内RNAの非侵襲的リアルタイムイメージングを目的とした細胞内で産出可能な生体分子を利用したプローブの開発を行っている。本年度は、当初の研究計画を変更して採用第二年度目に行う予定であった新規RNAイメージング法の開発に着手した。RNA結合タンパク質であるArginine Rich Motif peptide(ARM peptide)とRlucとEnhanced Yellow Fluorescence Protein(EYFP)を組み合わせたタンパク質プローブを遺伝子工学的に構築した。この設計により特定モチーフを有するRNA結合時のARM peptideの構造変化をこれら二つのタンパク質問のBioluminescence Resonance Energy Trasnfer(BRET)効率の変化に結び付けられると期待した。ARM peptideは三種類を選択し、異なるリンカー長を有する全12種のBRETプローブを設計した。これらprobeはヒト子宮頸がん由来HeLa細胞に強制発現させ、そのライセートを用いて特性評価を行った。各BRET probeは融合した各AMR peptide認識RNA配列依存的なBRET効率の変化と、リンカー長依存的なBRET効率の変化が見られた。更に任意配列RNAの検出のため、target RNAとの結合によりARM peptide結合モチーフの再構成が起こるように設計したsplit-RNA probeと、BRET probeを協調させることによりtarget RNAの検出を試みた。しかしながら本研究で以前構築し、その有用性が示されていたsplit-RNAプローブを使用したところtarget RNAに依存した有意なBRET signal変化がほとんど見られなかった。このsplit-RNA配列に対して種々の変更を加えたところtarget RNA配列特異的なBRET signal変化に改良が見られた。以前のsplit-RNAプローブの配列が適さなかった理由として使用bufferの組成の違いやBRET probeとの間の立体障害が考えられる。この結果はプローブの使用環境に応じて逐一RNA配列を最適化する必要が示唆され今後の課題の一つとなり得る。今後は、今回得た設計指針を基にsplit-RNAプローブ配列の更なる改良を行うと共に細胞内RNA検出に向けたタンパク質プローブの選別を行っていく予定である。本研究で構築したプローブは生体分子のみから構築されており遺伝子レベルで細胞に組み込むことが出来るため個体レベル、細胞レベルでの非侵襲的に長期に渡ったRNA検出への応用が期待できる。
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Research Products
(1 results)