2009 Fiscal Year Annual Research Report
非典型的カルパインPalBHによる神経成長因子の機能制御
Project/Area Number |
09J06274
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大迫 洋平 Nagoya University, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | カルパイン / 神経成長因子 / プロテアーゼ / エンドサイトーシス / ESCRT / IST1 |
Research Abstract |
申請者らは酵母を利用した実験により、ヒトcalpain 7(PalBH)と、神経成長因子受容体p75^<NTR>の相互作用因子MAGE-D1などが結合するという予備的知見を得ていた。そこで、MAGE-D1が培養動物細胞内においてもcalpain 7と相互作用するか検討した。エピトープタグを付加したMAGE-D1を人為的に発現させた場合にはcalpain 7と相互作用したが、細胞に元々発現しているMAGE-D1とcalpain 7との相互作用は、良質な抗MAGE-D1抗体が入手できず、検出できなかった。また、mRFP(赤色蛍光蛋白質)を融合したp75^<NTR>の恒常発現細胞を樹立し共焦点レーザー顕微鏡を用いて細胞内局在の観察を試みたが、mRFP-p75^<NTR>は細胞内に蓄積し本来の局在を反映しておらず、calpain 7との共局在の検討には至らなかった。 申請者らはこの他に、N末端側に単量体GFP(緑色蛍光蛋白質)を融合したcalpain 7(mGFP-calpain 7)を細胞に発現させると自身のプロテアーゼ活性により分解(自己消化)する可能性を見出していた。自己消化の証明のため、C末端側にエピトープタグを付加したmGFP-calpain 7を培養細胞に発現させ、精製した。この精製蛋白質は試験管内でも培養細胞内と同様に分解したことから、今まで不明であったcalpain 7自身のプロテアーゼ活性が初めて証明された。さらに、当研究室で新たにcalpain 7との相互作用を検出したIST1(エンドサイトーシスや細胞分裂に関与する蛋白質複合体、ESCRTの関連因子)により自己消化は促進された。この結果はcalpain 7のプロテアーゼ活性の解明に繋がる知見であり、calpain 7が神経成長因子受容体などのエンドサイトーシスに寄与する可能性を示すものである。
|
Research Products
(2 results)