2009 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送が支配する根の水分屈性制御分子の同定と解析
Project/Area Number |
09J06705
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森脇 哲平 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 水分屈性 / シロイヌナズナ / GNOM / 小胞輸送 / PINタンパク質 |
Research Abstract |
水分屈性欠損突然変異体miz2の変異原因遺伝子MIZ2は、細胞内小胞輸送の調節因子として機能するARF-GEFであるGNOMをコードする。GNOMを欠損する変異体の多くは、胚発生致死など多岐にわたる形態異常を示すが、miz2突然変異体は水分屈性欠損以外に目立った形態異常を示さないgnom変異体であった。そこで、本研究では根の水分屈性におけるGNOM/MIZ2を介した小胞輸送の役割を解明することを試みている。 miz2において異常となるGNOMの機能を明らかにするため、miz2と既知のgnom変異体との遺伝学的解析を行ったところ、GEF活性を失った変異体であるemb30-1とmiz2のヘテロ接合体は、水分屈性を一部回復することが分かった。この結果から、miz2の変異はGEF活性とは異なるGNOMの機能を欠損するものと考えられた。 一方、GNOMはオーキシン排出キャリアPINの細胞内輸送を制御することが知られている。そこで水分屈性の発現に要求される小胞輸送が、PINを輸送する小胞輸送系と同一の経路であるのかどうか解析した。その結果、miz2においてはPIN1およびPIN2のいずれも野生型と同じ局在パターンを示した。このことは、GNOMの機能として従来知られているPINの輸送とは異なる小胞輸送系が、水分屈性の制御に必要であることを示している。 以上の結果から、水分屈性には新規なGNOM機能を要求することが示唆された。そこで、細胞内小胞輸送系のうち、miz2で異常を来すオルガネラを同定するため、各オルガネラのマーカー系統を作成した。今後、これらマーカー系統を用いた解析から、水分屈性に要求される小胞輸送系が明らかになると期待される。
|
Research Products
(6 results)