2010 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送が支配する根の水分屈性制御分子の同定と解析
Project/Area Number |
09J06705
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森脇 哲平 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水分屈性 / シロイヌナズナ / GNOM / 小胞輸送 / PINタンパク質 |
Research Abstract |
水分屈性欠損突然変異体miz2の変異原因遺伝子MIZ2は、細胞内小胞輸送の調節因子として機能するARF-GEFであるGNOMをコードする。GNOMを欠損する変異体の多くは、胚発生致死など多岐にわたる形態異常を示すが、miz2突然変異体は水分屈性欠損以外に目立った形態異常を示さないgnom変異体であった。そこで、本研究では根の水分屈性におけるGNOM/MIZ2を介した小胞輸送の役割を解明することを試みている。 MIZ2/GNOMと同様に、水分屈性に必須な遺伝子としてMIZ1が同定されている。MIZ1過剰発現体はオーキシン内生量の減少に起因すると考えられる側根形成の異常を示すが、miz2変異はMIZ1過剰発現による表現型を抑圧することがわかった。また、オーキシン量が減少した突然変異体を複数もちいて水分屈性能を測定した結果、全ての変異体で水分屈性能の向上が見られた。以上の結果より、GNOM/MIZ2はMIZ1の下流に位置し、オーキシン量の調節を介して水分屈性の制御に関わるものと推定された。 一方、MIZ1の遺伝子発現を制御する上流の因子について、MIZ1-GFPの蛍光観察による生理学的解析およびマイクロアレイデータベースの解析を行った。その結果、光環境がMIZ1の発現を正に制御することが分かった。遺伝学的な解析より、転写因子であるHY5が、光依存的なMIZ1の誘導に機能していることを明らかにした。 次年度は、GNOMがMIZ1をどのように制御するのか、細胞内局在の解析など分子レベルでの解析を進めるとともに、水分屈性時におけるオーキシンの役割を解明したいと考えている。
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Research Products
(6 results)