2009 Fiscal Year Annual Research Report
トーラスプラズマ合体実験を用いた磁気リコネクションの粒子加速・加熱機構の解明
Project/Area Number |
09J06762
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 由記 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズマ / 磁気リコネクション / 核融合 / プラズマ加熱 / プラズモイド |
Research Abstract |
磁化プラズマ中で磁力線がつなぎ変わる磁気リコネクション現象は,太陽コロナ,地球磁気圏といった宇宙プラズマからトカマク等の核融合プラズマで共通してみられる現象であるが,定常の磁気流体モデルでは説明できない高速な磁気リコネクションや磁気エネルギーの熱的・力学的エネルギーへの変換過程がまだ十分に明らかになっていない.本研究はTS-4装置におけるトーラス合体実験で,外部のコイルにより磁場をコントロールするこで磁力線のつなぎ変わる角度や周囲の磁場配位を変え,高速化,加熱,加速の機構を検証した.既存の2次元磁気プローブアレイに加え,磁力線のつなぎ変わる拡散領域付近を詳細に調べるために,高分解能の磁気プローブを製作した.またこれまでTS-4装置で行なわれてきた二つの磁束管が一につなぎ変わるプッシュ型の実験に加え,逆に一つの磁束管が二つにつなぎ変わるプル型の実験を取り入れることで,磁気リコネクション中に存在しうるの拡散領域外部の巨視的な磁場構造を再現した. 従来は高速リコネクションは局所的な不安定性などによる異常抵抗が原因と考えられてきたが,本研究では異常抵抗ではなく磁場,密度の非定常性が原因であることを明らかにした.この密度の非定常性をSweet-Parkerモデルに加えることでリコネクション速度を定量的に説明した.この研究成果は非定常性による磁気リコネクションの高速化を定量的に示したもので,非定常効果の重要性を初めて明かにした.特に外部からの駆動力が大きい場合にはプラズマがパイルアップした後に閉じた磁気面(プラズモイド)が拡散領域中に成長した.異常抵抗が発生しにくい条件下では抵抗拡散が小さく,成長したプラズモイドが拡散領域から放出された.プラズモイドの放出速度を磁気島の移動速度から算出すると,その加速度が最大の時点でリコネクション速度も大きくなっていることが確認された.
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Research Products
(4 results)