2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルと超音波を用いた新しい表在性膀胱がん遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
09J07271
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀江 佐知子 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 超音波 / ナノバブル / 遺伝子治療 / 表在性膀胱がん |
Research Abstract |
これまでの研究で、膀胱内のナノバブルの挙動と衝撃圧の制御を目的に強弱超音波照射法を開発し、マウス膀胱移行上皮に局所に効率的に蛍光分子を導入することができた。また、この手法を用いて膀胱移行上皮にレポーター遺伝子を導入し、遺伝子が発現されることを実証した。 本年度は、遺伝子の体内安定性と標的指向性を持たせるために、DDSキャリアとして有用性のあるPEGリポソームに遺伝子を封入した。逆相蒸発法を用いて作製した94mol%Distearoyl-Phosphocholine(DSPC)と6mol%Distearoylphospho-ethanolamine(DSPE)-PEGからなるリポソーム内に凍結融解法を用いてレポーター遺伝子であるルシフェラーゼ発現pGL3プラスミドDNAを導入した。封入効率は51.7±6.4%,粒径は273.3±28.7nm(個数換算)であった。遺伝子封入リポソームを用いることで、封入された遺伝子の安定化が可能となり、ナノバブルと超音波と組み合わせることで、遺伝子導入部位を簡易的にコントロールが可能となった。 一方で、ナノバブルと超音波を用いた腫瘍壊死(TNF-alpha)遺伝子の局所導入の有効性を確認するために、マウス固形腫瘍内(ルシフェラーゼ発現EMT6細胞、SCIDマウス)にTNF-alpha遺伝子とナノバブルを投与し、周波数:1MHz,Duty比:20%,照射時間:60sec,200pulse,Intensity:3W/cm^2の条件下で超音波照射した。生体発光法で腫瘍のルシフェラーゼ発光を測定し、発光強度の縮退から抗腫瘍効果を定量化した。TNF-alpha遺伝子の単独投与と比較し、本手法で腫瘍は3分の1に縮退し、抗腫瘍効果が明確に示された。
|
Research Products
(16 results)