2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖脂質欠損マウスで強発現する遺伝子産物の神経系における新規機能の解析
Project/Area Number |
09J07376
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大川 祐樹 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 糖脂質欠損マウス |
Research Abstract |
糖脂質合成遺伝子であるα2,8-SiaTとβ1,4-GalNAcTをダブルノックアウトしたGM3 onlyマウスの中枢神経系において強発現する2つの遺伝子、S3-12とwisp2の意義について研究を進めた。 S3-12について 神経系での解析がなされていないため、まず神経系における発現部位(細胞)の同定を行った。 ・野生型マウス、GM3 onlyマウス、各3匹の小脳・脊髄からmRNAを抽出し、S3-12遺伝子の発現レベルをqRT-PCRにて検討したところ、GM3 onlyマウスにおいて野生型マウスに比べ有意な遺伝子発現上昇が観察された。 ・発現部位(細胞)を同定するために、免疫組織染色を行った。S3-12のシグナルがミクログリアマーカーであるF4/80と重なったためS3-12の発現細胞はミクログリァであると同定した。 Wisp2について S3-12遺伝子と同様に、神経系では解析がなされていないため、まず基礎的情報の獲得を行った。 ・S3-12と同様に神経組織(小脳・脊髄)からmRNA抽出し、Wisp2遺伝子の発現レベルをqRT-PCRで検討したところ、野生型マウスに比べGM3 onlyマウスにおいて、有意な遺伝子発現上昇を観察した。 ・Wisp2遺伝子の発現細胞を神経細胞と予想し、マウス神経芽腫細胞株であるNeuro2a細胞を神経細胞のモデルとし、Wisp2安定発現株を樹立した。強制発現株では、顕著にAkt、ERKのリン酸化レベルが上昇しており、それに並行して、突起伸長亢進が観察された。
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