2009 Fiscal Year Annual Research Report
走査型プローブ顕微鏡によるカーボンナノチューブトランジスタの電気特性の評価・解析
Project/Area Number |
09J07642
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
沖川 侑揮 Nagoya University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / トランジスタ / 磁気力顕微鏡 / 局所ゲート顕微鏡 / 電気伝導のばらつき評価 / 欠陥 |
Research Abstract |
これまでの研究で走査型プローブ顕微鏡によるカーボンナノチューブ電界効果型トランジスタ(CNT-FET)の電位分布測定が有用である事を明らかにしてきた。本年度はこの電位分布測定に加えて、探針-試料間に働く磁気力を検出する磁気力顕微鏡(MFM)や探針にバイアスを印加する事で探針自体をゲート電極としてCNT-FETの電流量をマッピングする局所ゲート顕微鏡(SGM)を用いてCNT-FETの電気伝導特性の評価を行った。 『MFMを用いたCNT-FETにおける各々のCNTの電気伝導特性のばらつき評価』 CNTに流れる電流によって生じる磁気力をMFMにより検出する事を試みた。まずカンチレバーを集束イオンビームで加工することで高感度な磁気力検出を実現した。また電位測定技術を用いて探針-試料間の電位をゼロにすることで誤差となる信号を抑制した。次に本技術を適用したMFM測定をCNT-FETチャネル中の個々のCNTに対して行ったところ、コンダクタンスや閾値がCNT毎で異なる事を明らかにした。尚、本研究成果は東京大学との共同研究によるものである。 『SGMを用いた2本のCNTに対する電気伝導特性評価』 まずCNTの欠陥評価やCNT各々の電気伝導のばらつき評価が可能であるSGMを立ち上げた。このSGM測定をCNT-FETチャネル中の2本のCNTに対して行ったところ、電気伝導型や閾値がそれぞれのCNTで異なる事を示唆する結果が得られた。 『半導体的CNT優先成長メカニズムの解明』 当研究室で立ち上げたSGM測定を用いて半導体的CNTの優先的成長メカニズムの解明を試みた。プラズマCVDで成長したCNTを用いたCNT-FETに対してSGM測定したところ、ドット状に電流変調する像を取得した。このドット状の像は金属CNT中に含まれる欠陥を示唆しており、この欠陥によってCNTは半導体的に振る舞うという新しい知見が得られた。
|
Research Products
(5 results)