2009 Fiscal Year Annual Research Report
アニオン応答性π共役系素子を基盤とした超分子集合体の創製
Project/Area Number |
09J07873
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
羽毛田 洋平 Ritsumeikan University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | π共役系分子 / ピロール誘導体 / アニオンレセプター / アニオン認識 / 超分子組織体 / らせん構造 / 超分子ゲル / 電荷積層構造 |
Research Abstract |
アニオンレセプター(ジピロリルジケトンホウ素錯体)からなる超分子ゲルはアニオン添加によりゲルの溶解が誘起されるが、これはアニオンの対カチオンの物性が重要であることが示唆されている。そこで、対カチオンの形状を積層可能な平面状にすることで、レセプターアニオン会合体=平面状アニオンと平面状カチオンが交互積層した「電荷積層型集合体」を基盤とした組織体を、結晶およびファイバー状組織体からなるゲルとして形成することを明らかにした。POMおよびDSC測定の結果、組織体は液晶性を有しており、放射光X線による構造解析により複数の電荷積層集合体が円筒状構造を形成したヘキサゴナルカラムナー構造を有していることがわかった(論文投稿準備中)。一方、メタフェニレン架橋オリゴマーではアニオン駆動型のらせん構造を形成し、ダイマーの場合、末端置換基に依存して[1+1]型1重らせんと[2+2]型2重らせんを与え、テトラマーにおいては[1+2]型1重らせんを形成することを明らかにした。さらに、ダイマーからアニオンをテンプレートとして環状分子の合成が可能であることを見出した。環状分子は非常に安定なアニオン会合体を形成し、溶液中において外部環境に依存してサンドイッチ状[2+1]型ダイマーを形成することが示唆された。これららせん構造および環状構造を有する分子の特異的な電子・光物性の検証も行った(論文投稿準備中)。
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