2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病における免疫調節因子としてのAdrenomedullinの役割の解明
Project/Area Number |
09J08021
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
細川 育子 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歯周炎 / Th17細胞 / 樹状細胞 / Adrenomedullin |
Research Abstract |
近年、新規ThサブセットであるTh17細胞の存在が明らかにされ、関節リウマチといった炎症性疾患における骨吸収に関与していることが報告されている。また、歯周病病態形成においても、Th17細胞の分化および増殖を制御するサイトカインの存在も明らかにされており、Th17細胞の関与が示唆されている。一方、Adrenomedullin(AM)は、近年、抗炎症作用をもった内在性の免疫調節因子として作用することが報告されている。しかしながら、歯周病病変局所においてAMがTh17細胞の関与する免疫調節機構にどのように関わっているか明らかにされていない。そこで、本研究ではAMがTh17細胞への分化誘導機構にどのような影響を及ぼすかヒト末梢血単球由来樹状細胞を用いて検討を行った。 その結果、AM、CRLRおよびRAMP2のmRNA発現がヒト末梢血単球由来の未成熟樹状細胞で認められたが、RAMP3のmRNA発現は認められなかった。さらに、Lipid A刺激で誘導したヒト末梢血単球由来樹状細胞からのIL-23,IL-6およびIL-1β産生は、AMを加えることにより抑制された。 これらの結果より、TLR-4 ligand(Lipid A)刺激により誘導されたヒト末梢血由来樹状細胞からのIL-23,IL-6およびIL-1β産生はCRLR/RAMP2の複合体レセプターを介したAMにより抑制されることが明らかとなった。これらのことは、AMが樹状細胞からのIL-6,11-23およびIL-1β産生を抑制することにより、Th17細胞への分化および増殖を制御している可能性が示唆された。さらにTh17細胞が歯周病における骨吸収への関与が考えられることより、歯周病治療に応用できる可能性も示唆された。
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Research Products
(11 results)