2010 Fiscal Year Annual Research Report
in vivo部位特異的光架橋法を用いたミトコンドリア膜透過装置の解析
Project/Area Number |
09J08047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塩田 拓也 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ミトコンドリア / 部位特異的光架橋法 / 分子シャペロン / 質量分析 |
Research Abstract |
ミトコンドリア外膜膜透過装置構成因子Tom22についてin vivo部位特異的光架橋法を用いて、相互作用解析を行っている。これまで、Tom22の分子全体について、既知のTOM40複合体構成因子との相互作用部位の解析は完了している。本年度は、Tom20と相互作用する、サイトゾルドメインに着目し、前駆体タンパク質の過剰発現や、単離ミトコンドリアに対し精製したプレ配列を加えることにより、Tom20との相互作用の変化を検出することで、Tom22とTom20の基質認識機構について解析した。その結果、Tom22は前駆体タンパク質を認識している時、その酸性アミノ酸領域がTom20と離れ、その部位にプレ配列が結合することでTom20とともに、前駆体タンパク質を挟んで認識するこが分かった。 これまで、Tom22を過剰発現した場合にのみ見られる架橋産物について未同定であった。この未同定の架橋産物を同定するため、大量発現系を確立し、架橋産物を大量に調整した。その後、その架橋産物をLC-MS/MSにより解析し、未同定の架橋産物がporinのひとつである、Por1であることを突き止めた。porinは、外膜に存在するβバレル型膜タンパク質で、低分子化合物の外膜透過(能動輸送)に関与しているタンパク質で、出芽酵母では、Por1とPor2の2つのisoformを持つことが知られている。しかし、これまでTom22とPor1が相互作用するという報告はない。Por1遺伝子を破壊した酵母株では、ミトコンドリア外膜に存在しているTom22の量が顕著に減少していることから、Por1はどうやらTom22がミトコンドリア外膜に過剰に存在している時に、保護する機能があることが示唆された。
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Research Products
(5 results)