2011 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡状態下で相関電子系の示す新奇物性の理論的研究
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09J08238
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森本 高裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子ホール効果 / グラフェン / ファラデイ回転 |
Research Abstract |
量子ホール効果は、1980年代から二度にわたりノーベル賞を受賞した物性物理の中心的テーマの一つであり、最近では抵抗の標準となるほど日常的にも重要であるが、量子ホール効果を示す半導体に強いレーザー光を当てると、「光学的量子ホール効果」と呼ぶべき新現象が発生することを理論的に予言した。この効果は、近年発展が著しいテラヘルツ光領域におけるレーザー光学技術により観測可能であることが見積もられる。また、ポスト・シリコン材料として現在脚光を浴びているグラフェンにおいても、「偏光(ファラデー回転)で見る微細構造定数」という新奇な光学的量子ホール効果を予言した。 量子ホール系の特徴はdcホール伝導度がトポロジカルに量子化されることであるが、ac領域に行ったときにホール伝導度がどう振舞うかには興味がもたれる。 2DEGおよびグラフェン量子ホール系の光学ホール伝導度を不純物存在下で数値的に求め、ホール伝導度におけるプラトー構造が、量子化値はもたないものの ac領域でもアンダーソン局在によってrobustに残ることを見出した。 この効果は実験的にも池辺らによって、THz光によるファラデイ回転の測定によって観測された。 特に今年度は、ac領域におけるアンダーソン局在の効果を詳しく調べるために、ホール伝導度と縦伝導度の2パラメータダイアグラムの繰り込みの流れを議論した。 また2層グラフェンや3層グラフェンもそれぞれに特異な低エネルギー有効理論が実現しており興味が持たれるため、多層グラフェンのファラデイ回転について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・AC領域における2 parameter flowダイアグラム、 ・多層グラフェンにおけるファラデイ回転 について研究をおこなうことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
グラフェン量子ホール系の光学応答について研究をすすめてきたが、 今後はトポロジカル絶縁体などの光学応答についても研究をおこなっていきたい。
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Research Products
(5 results)