2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥野 将成 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バイオイメージング / ラマン顕微分光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ラマン顕微分光法をイメージング手法として成熟させ、ラマン・イメージの取得時間を著しく短縮することである。平成21年度における、本研究の成果としては、次の3つがあげられる。1.CARS分光顕微鏡の継続的開発。さまざまな光学部品を細部まで検討した結果、生細胞における10um四方の領域を、およそ20秒程度で明瞭なイメージを得ることに成功した。特に、CARS顕微鏡において懸案であった、信号が微弱かつ形状が複雑な指紋領域の信号を明瞭に取得し、イメージを得ることに成功した。2.CARS分光顕微鏡の定量化。最大エントロピー法及び特異値解析法という、統計的、情報的手法を用いることで、ラマンスペクトル中の信号・ノイズ比を大幅に改善した。また、物質濃度に比例した、定量的な情報を得ることに成功した。3.直接ラマンイメージング技術の継続的開発、多焦点共焦点ラマン分光顕微鏡の開発に向けた基礎的な実験。自発ラマン散乱を用いた直接ラマンイメージング技術を進展させ、信号強度の強いCH伸縮振動領域において、1秒程度で生細胞の明瞭なラマン・イメージを得ることに成功した。また、平成22年度予定の多焦点焦点ラマン分光顕微鏡の開発のために、共焦点効果の評価や多焦点化の方法について、大きな知見を得た。多焦点化し、さらに共焦点効果を用いることで、生細胞の指紋領域の信号が明瞭に得られることがわかった。 また、2つの国際会議、及び1つの国内会議に出席、発表を行い、他の研究者との交流を深め、研究に関する示唆を得た。
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Research Products
(4 results)