2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥野 将成 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バイオイメージング / 顕微ラマン分光法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ラマン顕微分光法をイメージング手法として成熟させ、ラマン・イメージの取得時間を著しく短縮することである。平成22年度における、本研究の成果としては、次のとおりである。1.CARS分光顕微鏡の継続的開発および生細胞への応用。生細胞における10um四方の領域を、およそ10秒程度で明瞭なイメージを得ることに成功した。それにより、酵母細胞のレーザー照射の影響による死過程、また、動物細胞への界面活性剤の作用について、時間分解測定を行い、ラマン分光イメージとしてそれらの動的挙動の追跡を行った。2.多焦点共焦点顕微ラマン分光法の開発。さまざまな技術的困難を克服し、多焦点照射を行い、各焦点について共焦点効果を用い、かつそれぞれの焦点からのラマン散乱光を分光して別々にスペクトルを得ることに成功した。これにより、48点の同時ラマンスペクトル測定が可能となった。この装置を出芽酵母細胞に対して応用し、指紋領域において10数秒にて32x24um四方の領域のラマン分光イメージングを達成した。3.ラマン分光イメージングの絶対定量化の試み。さまざまな生体分子について、それらのラマンバンドの絶対ラマン散乱断面積を求めた。それを用いることで、生細胞中に含まれる、シトクロム類やアミノ酸など、さまざまな生体分子の絶対数、濃度を決定することに成功した。 また、2つの国際会議、及び2つの国内会議に出席、発表を行い、他の研究者との交流を深め、研究に関する示唆を得た。
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Research Products
(4 results)