2009 Fiscal Year Annual Research Report
PDIが関わるフェノール性環境化学物質の脳神経系作用機序の解明
Project/Area Number |
09J08400
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
橋本 翔子 Kwansei Gakuin University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 環境化学物質 / ビスフェノールA / protein disulfide isomerase / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
1.環境化学物質のPDIへの結合活性の解析について BPA以外の環境化学物質やT_3のPDIにおける結合ドメインを同定し、PDI活性阻害様式をBPAと比較することを目標とし、研究を進めた。 T_3について、イソメラーゼ活性阻害メカニズムを検討したところ、BPAと同様にPDIのb'ドメインに結合することにより活性を阻害することが明らかになった。さらにBPA、T3のほか、イソメラーゼ活性阻害が明らかになっているTBBPAやクミルフェノールは、b'ドメインの構造変化を起こしていることが考えられる結果を得た。 さらに、T3依存的に甲状腺ホルモン受容体(TR)を介して、成長ホルモンが誘導されるGH3細胞においてPDIを過剰発現すると、T3応答が抑制されることが明らかになっている。そこで、そのメカニズムを調べることで、T3応答におけるPDIの役割、環境化学物質のPDIを介した細胞への影響を調べることを目的として実験を行った。その結果、PDIの過剰発現細胞では、成長ホルモンの産生が減少するだけでなく、TRのうちTRβのmRNA発現量が減少していることが明らかになった。 2.PDIの結晶構造解析について 結晶構造解析のためのアフィニティーカラムやHPLCを用いてPDI精製条件を検討しようと試み、インテインタグや陰イオン交換カラムを用いることで純度の高いPDIを精製できた。
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Research Products
(2 results)