2010 Fiscal Year Annual Research Report
PDIが関わるフェノール性環境化学物質の脳神経系作用機序の解明
Project/Area Number |
09J08400
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
橋本 翔子 関西学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 環境化学物質 / ビスフェノールA / protein disulfide isomerase / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
環境化学物質のPDIへの結合活性の解析について、BPAによるイソメラーゼ活性阻害メカニズムについて解析を進めた。その結果、BPAはb'ドメインの後ろに存在するX領域と呼ばれる可動性領域と競合的にb'ドメインの疎水性領域に結合していることが明らかになった。さらに、疎水性領域を構成するアミノ酸のいくつかを変異させた変異体のBPA結合性を調べることにより、BPAの結合に必要なアミノ酸を検討した。その結果、258番目のヒスチジンがBPAとの結合に重要な役割を果たしていることが示唆された。PDIの結晶構造解析について、BPA結合ドメインを含むPDIのbb'ドメインの結晶構造解析を試みた。精製条件を決定し、さらに結晶化を試みたところ、結晶を得ることができた。PDIの生理機能解析について、T3依存的に甲状腺ホルモン受容体(TR)を介して、成長ホルモンが誘導されるGH3細胞においてPDIを過剰発現すると、T3応答が抑制されることが明らかになっている。そこで、そのメカニズムを調べることで、T3応答におけるPDIの役割を調べ、PDIの生理機能を解析することを目的として実験を行った。その結果、PDIの過剰発現細胞では、成長ホルモンの産生が減少するが、イソメラーゼ活性中心変異体過剰発現では減少しないことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)