2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル散逸抑制型HABIのフォトクロミズムおよび磁気光学特性の探究
Project/Area Number |
09J08423
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
波多野 さや佳 青山学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトクロミズム / HABI / [2.2]パラシクロファン / ラジカル / 光学特性 / 1,1'-ビナフチル |
Research Abstract |
T型フォトクロミック分子であるラジカル散逸抑制型HABIは、光照射によって生成するラジカルの系中への拡散が抑制された系であり、スピロオキサジンや従来のHABI誘導体と比較して熱消色反応の大幅な高速化が達成されている。このことは、ラジカル散逸抑制型HABIが、高速熱消色反応速度が要求される分野に適したフォトクロミック分子系であることを意味している。また、HABIの最大の特徴は光誘起結合解離によるラジカル生成であるがこのようなフォトクロミック分子はHABIの系だけであり、HABIのフォトクロミック反応に関して新しい知見を得ることは、今後HABIを発展させる際の重要な手がかりとなると考えられる。そこで本研究では、合理的分子設計に基づく熱消色反応のさらなる高速化を目指すとともに、幅広い応用分野への展開を追究することを目的とした。[2.2]パラシクロファン架橋型高速フォトクロミック分子は、適切な分子設計により消色速度と色調のコントロールが容易な点において優れた特性を有しており、幅広い応用分野への展開を考えると、さらに高い発色濃度を示す誘導体の追究が重要となる。平成22年度はこの点に着目し、イミダゾール環部位に結合しているベンゼン環にメトキシ基を導入することで、適切な消色速度を有し高い発色濃度を示す新規フォトクロミック化合物の創成を実現させた。また、平成22年度は光誘起ラジカルに由来する磁気光学効果を検討する前段階として、1,1’-ビナフチル骨格を有するHABI誘導体の光学特性の検討を行った。
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Research Products
(9 results)