2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しいカルモデュリンキナーゼカスケードを介した細胞内カルシウム情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
09J08571
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
藤本 智仁 香川大学, 医学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CaMKK / リン酸化酵素 / Syndapin I |
Research Abstract |
我々は、ATP類似化合物である6-1MeBu-ATP(N^6-(1-methylbutyl)-ATP)とCaMKK (Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase kinase) a F230G (Phe230Gly)を用いたシステムにより、新規CaMKK標的分子の同定に成功した。この方法を用いたSrc, JNK, ERK2の標的分子同定の報告が既に成されている。 そこでまず初めに、ラット脳抽出液をATPまたは6-1MeBu-ATP存在下または非存在下で反応させ、anti-phosphoThr抗体でウエスタンブロッティングしたところ、ATP存在下ではラット脳抽出液中のタンパク質のリン酸化レベルが大幅に上昇したが、6-1MeBu-ATP存在下では、ATPおよび6-1MeBu-ATP非存在下でのリン酸化レベルと変化がなかった。次に、ラット脳抽出液を6-1MeBu-ATP存在下でCaMKKawild typeまたはCaMKKa F230Gと共に反応させウエスタンブロッティングしたところ、CaMKKa F230Gと共に反応させたときのみ、50kDa付近にリン酸化シグナルが上昇するバンドが見られた。そこでこのタンパク質をQ-Sepharose、 Superose 6、 Mono Qで段階的に精製し、質量分析を行なったところ、Syndapin Iであると同定された。 Syndapin Iは、試験管内およびCaMKKアイソフォームによりT355(Thr355)がリン酸化された。またHeLa細胞においても、常時活性型CaMKKアイソフォームによるHA-Syndapin IのT355のリン酸化が確認された。
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