2009 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー分光法を用いた光化学オキシダント制御に関する反応素過程の解明
Project/Area Number |
09J08574
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮崎 洸治 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | HO2ラジカル / RO2ラジカル / オキシダント / レーザーポンプ・プローブ / 化学増幅 / 化学変調 / レーザー誘起蛍光 |
Research Abstract |
大気中VOC、COとOHラジカルの反応から生成する過酸化ラジカル(HO2,RO2)の生成・消失速度を計測するシステムを構築した。レーザーポンプ・プローブ法を用いてOHラジカル濃度変動をLabVIEWプログラムによる高速サンプリング法により計測する。同時に反応管にNOを加えHO2ラジカルをOHに変換しHO2ラジカル濃度も計測する。これらの濃度変動から解析的にHO2,RO2の生成・消失速度を見積もる。開発した装置からCO/airを用いて実験を行い、OHラジカルのCOとの反応による消失過程と、HO2ラジカルのCO+OH反応による生成過程と壁面消失による消失過程が観測された。また、本装置を簡略化しその場の大気がどの程度オキシダントを生成し得るかというオキシダント生成能をより簡便に直接測定から評価できる装置の考案・構築を行った。水蒸気の光分解で生成したOHラジカルを大気試料に導入し、新たに生成したNO2濃度の増分をレーザー誘起蛍光法により計測する。本手法が確立されれば、大気観測ネットワークに加えることにより、オキシダント生成能の同季節におけるそれぞれの地域の特性評価、また長期モニタリングすることが可能となると期待される。HO2,RO2ラジカルなどの前駆物質反応過程を考慮したオゾン生成能の数値化は初めての試みである。大気中のNOを酸化する過酸化ラジカル(HO2,RO2)の選択的計測手法を改良した。低圧下の反応管に窒素または酸素を添加し、HO2,RO2ラジカルそれぞれの反応過程の違いを利用してRO2ラジカルを選択的に反応系から除去(化学変調)し、化学増幅-レーザー誘起蛍光法により計測する手法である。35%のRO2が除去され、またそれぞれの過酸化ラジカルの検出下限が0.78ppt(1分積算)の装置となった。
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