2009 Fiscal Year Annual Research Report
総合電機企業と外部組織の関係形成とその変遷-リーディング企業4社の比較を通じて-
Project/Area Number |
09J09283
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
宮田 憲一 Meiji University, 大学院・経営学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 投資軌道 / 戦略転換 / 総合電機企業 / 組織能力 / 三つ叉投資 / 組織間関係 |
Research Abstract |
本研究は、20世紀末に変容を遂げ、再成長を果たしたGE、およびGEと歴史的に関係があったWH、東芝、日立を研究対象とし、とくに重電機産業において各企業と外部組織どのような関係を構築し、またそれを変容させてきたのかという課題設定のもとで、本度は、まず各企業の概略史把握および1970年代以降の投資軌道の考察をした。(1)まず、対象企業4社に関する基礎的文献・資料収集した。研究の中核となるGE社に関しては、8月4日から9月1日まで渡米し、スケネクタディ・ミュージアム、ハグリー・ミュージアム、コーネル大学等を訪問、社内広報や内部資料を収集、合わせてWH社の年次報告書も収集した。(2)加えて、先行研究で示された「経営モデル分析図」に依拠し対象企業の投資軌道を分析し、各企業の経営戦略転換期を明らかにした。GE社およびWH社は、成熟産業およびサービス業へのシフトという点ではともに一致しているが、そこに至るまでの投資軌道は非常に異なっていることが明らかになった。東芝および日立においては、全体的に類似した軌道を描き、とくに日本経済のバブル崩壊以降においては両企業とも研究開発費および設備投資ともに低下していることが確認された。しかし同時に、このモデルがマクロ経済の影響に左右されやすく、各企業の経営戦略転換を明確に表せないのではないかという重要な課題も持ち上がった。この一連の研究成果の一部は、宮田憲一「1970年代から1990年代におけるGEの戦略転換」において報告されている。(3)最後に、既存モデルの問題点を考慮しつ、「三つ叉投資」の概念を導入し、経営史研究に対してより親和性のある分析モデル構築に着手した。本年度、論文というかたちでは結実していない研究成果については、次年度以降に学会発表および論文という形でというかたちでまとめたいと考えている。
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Research Products
(1 results)