2009 Fiscal Year Annual Research Report
核酸塩基アミノ酸を導入した新規タンパク質の創製と化学的タンパク質工学への展開
Project/Area Number |
09J09414
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
魚住 隆一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ペプチド / 核酸塩基アミノ酸 / 相互作用 / 立体構造 / 熱安定化 / 四次構造 |
Research Abstract |
現在までに、様々な手法により人工タンパク質を獲得する研究が精力的に行われている。しかし、人工的な改変を施して天然タンパク質のような安定な立体構造の構築を達成することは依然として容易ではない。そこで、DNAの核酸塩基相互作用を用いて遠距離の相互作用で安定化させた非天然型の足場構造を獲得し、それに特定の機能を付与させた機能性分子の獲得を最終的な目的としている。具体的には、核酸塩基相互作用を導入するために側鎖に核酸塩基をもつ人工アミノ酸、核酸塩基アミノ酸(NBA)を部位特異的に導入したペプチド・タンパク質の構築を行いその足場構造に機能化を施す。本年度はNBA間相互作用の詳細を得るために、熱的に安定化されたNBAペプチドの核磁気共鳴(NMR)による立体構造解析を行った。NMR解析から得られた原子間の距離や二面角に関する情報を拘束条件として用い構造計算を行った。計算結果から、特異的な様式でNBA間相互作用を形成していることがわかった。また、NBA相互作用によるタンパク質四次構造の安定化効果を検討するために、プロテインGの再構成実験を行った。プロテインGを二つのセグメントに分割し、各々のセグメントにNBAを導入した多種類のアナログペプチドを合成した。合成したNBAペプチドを様々な組み合わせで混合し、再構成実験を行った。円二色性偏光スペクトル測定の結果、導入するNBAの種類や位置によってタンパク質の再構成能が調節され、タンパク質の四次構造が制御されることがわかった。
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Research Products
(2 results)