2009 Fiscal Year Annual Research Report
チューリングパターンを形成する大腸菌の合成生物学的手法による作製
Project/Area Number |
09J09649
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鮎川 翔太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 合成生物学 / 人工遺伝子回路 / 生体分子システム / パターン形成 / 細胞間コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究では、人工遺伝子回路によりチューリングパターンを形成する大腸菌を作ることで、細胞集団を時間的空間的に制御可能な生体分子システムの設計原理に関する知見を深めることを目的とする。この人工遺伝子回路の作製のために必要な遺伝子部品としては、アクチベーター分子とインヒビター分子の存在に応答して遺伝子転写調節を行う拡散シグナル分子応答回路と、二種類の転写制御タンパク質によって制御を受ける遺伝子AND回路プロモータがある。アクチベーター分子応答回路としては3OC6HSLを使用した回路をすでに作製していたので、本年度はこの回路の詳細な活性測定を行った。この測定結果はシミュレーションに使用する予定である。またインヒビター分子応答回路として昨年度作製したautoinducer-II応答回路には活性が見られなかったので、本年度はこのautoinducer-II応答回路のプロモータ部分に変異を導入した改良型autoinducer-II応答回路を作製した。autoinducer-IIを利用した遺伝子部品はこれまでの人工遺伝子回路研究で使用された例がないので、改良型autoinducer-II応答回路が実現すれば本研究が初となる。また遺伝子AND回路プロモータについては、以前作製したLux-Lac AND回路の詳細な活性測定を行った。この測定結果は今後作成するシミュレーションに使用する予定である。さらにLux-Lac AND回路の作製方法をまとめた論文を準備中である。
|