2010 Fiscal Year Annual Research Report
重力を感受する内皮細胞のオーキシン横輸送に果たす役割
Project/Area Number |
09J09981
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 千秋 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オーキシン排出キャリア / 植物ホルモン |
Research Abstract |
植物の重力応答機構の解明は、植物の重力環境への適応と進化の意味を理解する上で重要な研究課題である。本研究では、キュウリ芽生えの重力形態形成(ペグ形成)とオーキシンの輸送の関わりを明らかにすることを目的にしている。当研究室では、これまでに、ペグ形成にはオーキシンが重要であること、膜貫通型タンパク質であるオーキシン排出キャリアCsPIN1が、ペグ形成部位(TR領域)の重力感受細胞である内皮細胞に発現していることを明らかにしてきた。そこで、前年度までに、私はCsPIN1の局在パターンを免疫組織化学的に解析し、CsPIN1がTR領域において内皮細胞の細胞膜に局在し、その局在が重力刺激依存的に変動することを明らかにした。加えて、TR領域のオーキシン量を定量解析した結果、CsPIN1の局在変動のタイミングと同調する形でオーキシン量が変動することを明らかにした。本年度は、さらにCsPIN1局在とオーキシン変動、最終的な形態であるペグ形成に関する知見を深めるために、オーキシン輸送阻害剤(TIBA・PBA)を用いた研究を行い、これらの薬剤がキュウリ芽生えの重力形態形成(ペグ形成)、CsPIN1の蓄積パターン、オーキシンの分布に与える影響について解析し、オーキシン輸送阻害剤は、CsPIN1に影響を与え、重力刺激によるオーキシンの偏差分布の誘導を阻害し、重力形態形成を阻害する可能性を見出した。今後、本研究を継続することにより、オーキシン輸送阻害剤がCsPIN1の蓄積パターンに影響を与えて重力形態形成を阻害するメカニズムに関する新知見が得られると期待される。
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Research Products
(1 results)