2010 Fiscal Year Annual Research Report
太陽、パルサー、パルサー星雲における粒子加速機構の解明
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09J10058
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
田中 康之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | ブレーザー / TeVガンマ線 / 地球電離層 / マグネター |
Research Abstract |
フェルミ衛星のデータ解析を行った。TeV放射が発見されたFlat spectrum radio quasar(FSRQ)4C+21.35のフェルミの観測論文では、解析から論文作成までを行った。MAGIC望遠鏡と合わせたスペクトルは、3GeVから400GeVまで単一の成分で表せ、カットオフは有意に検出されなかった。これは、ガンマ線放射領域が、中心ブラックホールからsub-pc程度離れたBroad Line Regionと呼ばれる領域ではなく、several pc離れたdustytorus近辺に存在することを示す。また、ガンマ線放射は外部光子を逆コンプトン散乱することにより放射されるが、その種光子が赤外トーラスからの光子であることを明らかにした。 ELF/VLF電波(周波数が3Hz~3kHzの超長波)を用いた地球電離層の研究を行った。マグネターからの小規模バーストを地球電離層を用いて検出することに成功した。これは、また、天体からのガンマ線由来のELF transient(ELF帯域で見られるトランジェント現象)を初めて検出した。天体からのガンマ線入射の時間に有意なtransientが検出されており、リサージュ図を用いてソース方向を決めると、フレア直下点の方向を示した。これは、地球電離層が天体からのガンマ線によって大規模な擾乱を受けたことを示し、70年代の大気圏核爆発と同程度の擾乱を受けていたことが明らかになった。
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