2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄増殖性疾患の分子機構および白血病急性転化機序の解明
Project/Area Number |
09J10490
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
幣 光太郎 University of Miyazaki, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 慢性骨髄増殖性疾患 / 原発性骨髄線維症 / JAK2 |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが作成に成功したヒト原発性骨髄線維症(primary myelofibrosis ; PMF)のモデルマウスを用いて、PMF病態の分子機構を明らかにする。分子機構の解明を通して治療標的となる分子を発見し、有効な新規治療法の開発へとつなげることが最終的な目標である。 申請者らは先に、変異JAK2を恒常的に発現するトランスジェニックマウス(V617F-Tg)を2系統(以降系統1,系統2とする)を作成した。系統1では赤血球または血小板が増加しヒトPV,ETの病態が、系統2では骨髄巨核球の増加と骨髄線維化、髄外造血をきたしヒトPMFの病態が観察される。 系統1(PMF)と系統2(PV,ET)との間に病態の違いを生じさせる分子機構を明らかにするため、野生型マウス、系統2マウス、系統1マウスの3群の造血幹細胞分画を用いて発現解析マイクロアレイによる遺伝子発現プロファイルの解析を施行した。更に系統2マウスで発現が亢進している遺伝子群から、病態への関与が推測される数種類の候補遺伝子を抽出した。現在抽出された複数の転写因子についてin vitro, in vivoの機能解析を行いPMF病態との関わりについて詳細に検討中である.また、候補遺伝子のノックアウトマウスを導入し、疾患マウスにおいて、候補遺伝子を欠損させると病態がどのように変化するかを解析中である。更に、テーマである原発性骨髄線維症について、特発性造血障害調査研究班による前向き全国調査のデータ解析に参画した。また、原発性骨髄線維症に対する新規治療法として現時点で最も有望であるJAK2阻害剤について、その前臨床研究にも参画した。いずれも論文をまとめた。
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