2010 Fiscal Year Annual Research Report
高速多ニューロン画像法を用いた構成的アプローチによる記憶固定メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J10566
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇佐美 篤 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | calcium imaging / G-CaMP4 / neural circuit |
Research Abstract |
1.活動に伴う細胞内カルシウム濃度上昇を感度高く検出するため、既存の蛍光Ca^<2+>センサータンパク質であるG-CaMP2を改良することで、G-CaMP4を開発した。このセンサーが、in vivoで機能することを、蛍光イメージングに適した透明な体をもつC.elegansの体壁筋細胞と運動ニューロンに発現させることで、検討した。自由運動下で複数の細胞から活動を記録した前例は既存のタンパク質センサーではなく、今回世界で初めてG-CaMP4で活動を明瞭に検出することに成功した.神経伝達物質であるGABAが与える寄与が、前進運動と後退運動で異なることを発見した。これらの結果を国内外の学会で発表すると共に、論文をPNAS誌に投稿した。このG-CaMP4が神経活動を中心とした多細胞活動を可視化する上で今後大きな役割を果たすことが期待できる。G-CaMP4を用いたイメージング法により、現在では十分に検討されていない、生理機能が担われる際のダイナミックな情報処理過程が、今後広く探求されていくと考えられる。この契機を私の研究は与えることができたと考えている。 2.神経ネットワーク活動を計量する新規の解析法を開発した(Liet al.2010)。海馬CA3野の自発活動をこの解析法を用いて調べたところ、活動性の協調したグループに神経細胞集団を分けるごとが可能であることを見出した。記憶や学習が各々、グループごとの神経細胞集団によって別々に担われていることが示唆された。
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