2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J10712
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 千賀 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 特別研究員DC2 (40456702)
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Keywords | 赤潮指標 / 赤潮 / 水質総量規制 / N,P規制 / 重回帰 / 規制政策 |
Research Abstract |
富栄養な東京湾や伊勢湾では水質総量規制による水質の改善と赤潮発生との間に関係性は見られないと言う論点があるが、規制による全リンの流入負荷と赤潮の動態においては両者の関係を見出しつつある。平成21年度は閉鎖性水域である東京湾、伊勢湾を対象とした水質規制と赤潮指標との関係性について検証をおこなった。その結果をもとに地球温暖化の影響をも含めた水圏における政策措置の新たな評価方法の確立を目指した。なお、方法としては研究を推進していく中で「数理統計解析手法」に焦点をあてていくこととなった。 東京湾においては、単純相関および標準化重回帰の係数の比較から、T-Pは規制の前後において赤潮指標と関連する有意な説明変数であり、さらに、赤潮指標を説明する変数群にも規制の前後で変動があった。N、P総量規制のタイミングで赤潮指標PONおよび説明変数、そして「重回帰モデル」の説明率が変化したことから、N、P総量規制によってT-N、T-Pの排出量が変わり環境要因連関に変化が起こり、赤潮指標にも変化が起こった可能性が高い。 伊勢湾においても単純相関および標準化重回帰の係数の比較からT-Pは規制の前後において赤潮指標と関連する有意な説明変数であり、さらに、赤潮指標を説明する変数群にも規制の前後で変動があった。赤潮指標log(Chl-a)や説明変数の変化に関連すると考えられる最大の原因は、N、P総量規制のタイミングで赤潮指標log(Chl-a)が変化したことN、P総量規制によってT-N、T-Pの排出量が変わり環境要因連関に変化が起こったことが挙げられた。 T-N、T-Pの排出規制は閉鎖性海域の赤潮の減少に寄与するものであり、引き続き、東京湾及び伊勢湾においてT-N、T-Pの総量規制を行っていくことが必要である。
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[Journal Article]2010
Author(s)
鈴木千賀
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Journal Title
赤潮指標を用いた閉鎖性海域における赤潮の動態と水質総量規制との関係関する研究(博士(環境学) 学位論文)
Pages: 1-143
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