2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J10712
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
鈴木 千賀 高知大学, 若手研究者評価支援機構, 特任助教 (40456702)
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Keywords | 赤潮指標 / 赤潮 / 温排水 / 重回帰 |
Research Abstract |
本研究の目的は、水圏政策に起因する海洋環境の変化が赤潮指標(水質・生物環境の指標)にもたらす影響力を検証することにある。伊勢湾(三河湾)には北半球一の規模を誇る碧南石炭火力発電所があるが、水産学・海洋環境学的知見からの温排水利用を想定した検証はまだ十分になされておらず、火力発電所(石炭火力発電所)と赤潮指標との関係を水産学・海洋環境学的な知見から検証することの必要性が求められてきた。 本研究では、規制要因(温排水による水温の変動)と赤潮指標との関係性について、モデル解析による検証をおこなった。10~20年程度の海洋環境調査に基づくデータを参考にしつつ、重回帰分析に供することで寄与率の変化から温排水による水温の変動と赤潮との関係性を明らかにしていった。昨今、震災の影響により、発電所に起因した多くの研究成果が社会的にも強く求められてきているが、火力、原子力に限らず発電所から放出される温排水の影響検証もそのひとつと考えられる。研究は3月末で終了したが社会要請を踏まえ、両者の関係性をより強く明言し、その発展として水圏における政策措置の新たな評価方法の確立を求めるためには、複数モデルの構築も踏まえたさらなる検証が必要であるとの結論に達している。22年度は大学の移動による体制の再構築、震災の影響(文献収集)なども踏まえ、逐次、体制の立て直しをはかりながら研究を推進していったが今後も臨機応変に本年度の解析を踏まえた応用的検証と研究発表を続けていきたい。
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