2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞刺激に伴う転写活性化とヒストン修飾のダイナミクス
Project/Area Number |
09J40035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 陽子 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | ヒストン / 翻訳後修飾 / ライブイメージング / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
ヒストンは、真核生物のクロマチンを構成するタンパク質であり、その多様な翻訳後修飾は、遺伝子発現調節を始め、老化、癌化、細胞周期など様々な現象に関わる。本年度では、細胞刺激をしたときにヒストン修飾がどのように変化するかを調べるために、ヒストン修飾の変化をリアルタイムで観察できる系の構築を行った。具体的には、核膜を自由に通過できるように、ヒストン修飾を特異的に認識するモノクローナル抗体から、抗原を認識するFab画分を精製し、それに蛍光物質を結合させた。この蛍光-Fab物質をビーズローディング法により、細胞に導入した。本年度では、細胞分裂時での挙動がこれまでに詳細に検討されているヒストンH31ys10のリン酸化を指標に、ライブ観察を行った。その結果、間期では拡散していた蛍光-Fab物質が、分裂期では染色体上に集積し、分裂していく様子を観察することに成功した。分裂期におけるヒストンH31ys10をリン酸化する酵素としては、これまでにAurora Bが同定されており、実際に市販のAurora B抗体についても、上記と同様の過程により、蛍光-Fab物質を作製することで、一細胞における分裂期のヒストンリン酸化とkinaseの局在をリアルタイムで追うことが可能となった。さらに、癌細胞と正常細胞では、間期(G2)でのリン酸化が異なることを見い出し、その違いがホスファターゼ活性にあることを示唆された。
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Research Products
(5 results)