2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J40169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関戸 洋子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 小空間 / 空間認知 / 乳幼児 / しつらえ / こども / 親子 / 宇宙建築 / 見守り |
Research Abstract |
本研究「小空間の認知特性」では、「小空間」をキーワードとして派生する次の3テーマ、1)子どもの嗜好する小空間としての住環境、2)空間容積の単位としての小空間「包pao」の検証、3)宇宙建築という限定された小空間、を扱った。本年度の研究実績について、順に述べる。 1)「子どもの住環境」の研究については、a)実験とb)調査をおこない、各成果を審査論文として公表した。a)実験では、キッチンにいる親と子のコミュニケーションや見守りの質がどのように変化するか、実際の親子の距離や向きを変数として明らかにした。前年度は、正面・側面の2方向だったのに対し、今年度は、正面・斜正面・側面・斜背面・背面方向と全方向への拡がりに展開させた。 b)調査では、乳幼児のいる家庭を訪問して、アンケートやヒアリング調査、住空間の撮影や実測を行った。これにより、乳幼児の住空間のしつらえ方を明らかにした。 2)「空間容積の単位<包pao>」の研究については、文献・実測調査を継続した。都心の住居における実測のほか、小空間の代表格である2畳の茶室、妙喜庵待庵への視察もおこなった。 3)「宇宙建築」の研究については、RPD採用時の計画段階では、文献調査のみとしていたにもかかわらず、更に進展させた。具体的には、文献のほか、実験研究をおこない、論文や講演会にて研究成果を公表した。JAXA公募に選定され、今後関連する実験を宇宙と地上にておこなうため、何段階にもおよぶ倫理審査を受け、研究会の中心となり、研究を推進した。 以上の通り、「小空間」に関する研究活動を多角的におこない、その成果を学術論文や学会発表などで公表することにより社会的に還元している。このように、最終的には、住環境の質の向上に資するための研究存着実に実施している.
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