2010 Fiscal Year Annual Research Report
レンチウイルスベクターを用いた脊髄小脳変性症14型の分子病態の解明
Project/Area Number |
09J55092
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
ANTON Nikolaevic 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脊髄小脳変性症 / 小脳 / プルキンエ細胞 / 神経変性疾患 / PKC / 長期抑圧現象 |
Research Abstract |
脊髄小脳変性症14型原因遺伝子(Protein kinase Cγ ; PKCγ)をGFPとともに生後6日、あるいは生後25日のマウスのプルキンエ細胞に発現させ、3週間後に発現プルキンエ細胞の変化を検討した。形態的には明らかな変化を認めなかった。パッチクランプ法で機能を調べたところ、余剰な登上線維が残存しており、代謝型グルタミン酸受容体を介するTRPC3電流が増大していた。よって発現プルキンエ細胞ではPKCγの機能が阻害されていると考えられた。プルキンエ細胞に変異型PKCγと野性型PKCγを発現させたところ、変異型PKCγが野生型PKCγを巻き込んで凝集塊を形成することがわかった。 次に平行線維-プルキンエ細胞シナプスで誘導される長期抑圧現象(Long-term depression ; LTD)の発現を調べたところ、LTD発現も阻害されていた。半分程度のデータは昨年度に得られていたが、統計的に処理できるまで数を増やした。得られたデータをもとに論文を作成し投稿したところ、修正は必要であるが基本的には掲載できるレベルにあるとの編集者からの返信があった。掲載に向けてレフェリーの指摘に基づき、追加実験を行った。主な追加実験はDTDである。PKCγ欠損マウスではLTDが起こることが報告されているが、その報告中の刺激と我々のLTD誘導刺激が異なっているため、我々の刺激プロトコールを用いた場合でもPKCγ欠損マウスプルキンエ細胞でLTDが誘導できることを示せ、というものであった。そこでPKCγ欠損マウスを手に入れ、繁殖させて実験を行ったところ、確かに過去の報告のとおりLTD誘導が観察された。
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Research Products
(2 results)