2011 Fiscal Year Annual Research Report
環状ジペプチド誘導体を基盤とする機能性ゲル化剤の開発
Project/Area Number |
09J55242
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
星沢 裕子 信州大学, 総合工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 環状ジペプチド誘導体 / ゲル / ゲル化剤 / チキソトロピー / 水素結合 |
Research Abstract |
L-フェニルアラニンとL-アスパラギン酸から形成される環状ジペプチド誘導体は、ゲル化剤の基盤として有用である。環状ジペプチド誘導体に分子量の異なるポリジメチルシロキサンや分岐アルキル鎖を導入したゲル化剤は、シリコンオイルや食用油をゲル化するオイルゲル化剤として機能した。2011年度は、末端にOH基を有するアルキレン鎖を導入した環状ジペプチド誘導体の構造とチキソトロピー性について詳細な検討を行なった。 異なるアルキレン鎖長を有する環状ジペプチド誘導体のうち数種類は、水やアルコールといった極性溶媒をゲル化することが分かった。これらの主なゲル化駆動力は、ポリジメチルシロキサン型ゲル化剤と同様の水素結合であることが昨年までの研究で分かっている。液中に溶解させた環状ジペプチド誘導体は、粉末X線回折・電子顕微鏡観察によって繊維状会合体を形成することが分かった。せん断や振動といった力学的な刺激によってgel-sol転移を生じるチキソトロピー性を検討するために、偏光顕微鏡観察と赤外吸収スペクトル(FT-IR)測定を行った。加熱・放冷によって調製したゲル・ゲルを撹拌したゾル・静置して再形成したゲルの形態観察から、構造形成に違いが生じたことを突き止めた。3つのサンプルのFT-IR測定から、環状ジペプチド誘導体から調製されたチキソトロピー性ゲルのgel-sol・転移挙動にはven der Waals相互作用が深く関わっていることを突き止めた。
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Research Products
(7 results)