1999 Fiscal Year Annual Research Report
マダガスカルにおける民族集団の生成論理と民族間関係
Project/Area Number |
10041013
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
内堀 基光 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30126726)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 工 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (70264926)
深澤 秀夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10183922)
|
Keywords | 民族集団 / 生態学 / 差異化 / マダガスカル / ベツィレウ / ツィミヘティ / シハナカ / ザフィマニリ |
Research Abstract |
公称で18あるとされるマダガスカルの民族集団がいかに歴史的に形成・認知されてきたかを探るため、ベツィレウ、ツィミヘティおよびシハナカの3集団を集中的に取りあげ、個々の現地調査にもとづき、形成についての語りの伝承、隣接集団との日常的交渉過程のデータを収集した。ベツィレウ集団のなかに新たな下位民族分類が形成途上にあることが、森林周辺部に居住するザフィマニリと呼ばれる人々の例で示された。この民族生成過程は、伝承の新たな創出と、生態学的な差異化の認識として現われており、非暴力的な過程をたどる民族分化の具体例としてきわめて示唆的なものであると考えられる。一方、ツィミヘティおよびシハナカの2集団のあいだでは、近隣諸集団との交渉が深化し、現実には混淆状態が進むなかで、民族の意識化が進むという知見が得られた。
|
Research Products
(2 results)