1999 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究-特に国民社会形式とのかかわり-
Project/Area Number |
10041017
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
嶋田 義仁 静岡大学, 人文学部, 教授 (20170954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和崎 春日 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40230940)
赤阪 賢 京都府立大学, 文学部, 教授 (60099231)
日野 舜也 京都文教大学, 人間学部, 教授 (20014467)
松田 素二 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50173852)
阿久津 昌三 信州大学, 教育学部, 助教授 (30201883)
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Keywords | アフリカ / 伝統王国 / 国民国家 / 民主化 / シンボル / 王権 / 文化復興 |
Research Abstract |
本年度は、本研究プロジェクトの最終年度の2年目にあたる。本研究では、アフリカの植民地化以前に成立した伝統諸王国が、植民地列強によるアフリカの恣意的分割を基盤にしてできあがったアフリカ諸国家の国民社会形成の過程のなかで、どのように変化し、どのような変化をして行くのかを比較研究によって動態的に解明することを目的とした。1年目の調査研究の成果をふまえて、本年は特に(1)現地研究者との協力体制下における研究を推進すること、(2)こうした協力体制のもとに大学院レヴェルの若手研究者を研究協力者として投入研究者としての育成をはかることを目指した。 研究内容としては特に、(3)現在では国民国家の象徴にもしばしば採用される伝統王国の王権のシンボルの組織的な調査をおこない、かなりの成果が得られた。また(4)アフリカで現在進行中の「民主化」にともない実施されるようになった各地方自治体レヴェルでの選挙に、伝統王権がどのように関与あるいは評価されてゆくかの調査を幅広くおこなうことができた。そのなかで特に興味深かったのは、すでに滅びた王国関係者が、こうした民主的選挙をつうじて復活してくる兆候もみられたことである。(5)全体として特に注目されたのは、伝統王権の政治レヴェルというよりも文化レヴェルでの復興である。王権にかかわりのある祭礼やそれにともなう伝統的衣服や美術工芸、伝統的家屋、舞踊、音楽などの復興である。 なお本研究は目的として掲げた研究を成し遂げる以上に、さまざまなテーマを新たに発見し、またアフリカの現地研究者からはさまざまな関連する研究テーマの提案を受けた。現地研究者との協力体制下それを次のプロジェクトに生かすのが課題である。
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[Publications] 嶋田義仁: "アフリカ・イスラーム王権とモスク"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 2. (2000)
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[Publications] 嶋田義仁: "サハラ南緑のイスラーム都市"アフリカの都市的世界. 56-84 (2000)
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[Publications] 嶋田義仁: "ソコト・カリフ帝国縦断調査記"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 1. 61-78 (1999)
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[Publications] 嶋田義仁: "アフリカの近代国民国家体制と伝統王国"あうろーら. 16. 159-174 (1999)
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[Publications] 日野舜也: "アシャンティの王国クマシ"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 2. (2000)
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[Publications] 日野舜也: "アフリカ都市研究と日本人研究者"アフリカの都市的世界. 1-28 (2000)
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[Publications] 日野舜也: "アシャンティの王都クマシ(ガーナ)調査から"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 1. 9-11 (1999)
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[Publications] 小川了: "現代アフリカ国民国家と伝統王制の行方"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 2.
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[Publications] 小川了: "現代アフリカ国家における伝統王制"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 1. 99-103 (1999)
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[Publications] 赤阪賢: "マリ帝国と現代バンバラ社会"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 2. (2000)
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[Publications] 赤阪賢: "バンバラ農耕民における小国家(カフ)の形成と展開"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 1. 105-107 (1999)
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[Publications] 和崎春日: "バムン王国祭礼の復興"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 2. (2000)
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[Publications] 和崎春日: "国民社会のなかのアフリカ伝統都市"アフリカの都市的世界. 32-55 (2000)
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[Publications] 阿久津昌三: "アシャンティ王国の象徴体系"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 2. (2000)
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[Publications] 阿久津昌三: "現代国家のなかの伝統王国の再編成とその解釈"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 1. (1999)
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[Publications] 阿久津昌三: "大西洋ギニア湾岸沿岸部の王国と都市"アフリカの都市的世界. 145-164 (2000)
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[Publications] 松田素二: "東アフリカ諸王国の再興"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 2. (2000)
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[Publications] 松田素二: "西ケニアの小王国から-ワンガ王国調査記-"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 1. 129-132 (1999)
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[Publications] 白井和子: "アニ・ンデニエ王国の象徴体系"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 2. (2000)
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[Publications] 白井和子: "伝統王国と近代化-コートジボワール共和国アニ・ンデ゛ニエ王国の場合-"アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究. 1. 19-39 (1999)
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[Publications] 白井和子: "森林の非都市的集落"アフリカの都市的世界. 301-337 (2000)
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[Publications] 嶋田義仁(編): "アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究1"静岡大学人文学部文化人類学教室. 139 (1999)
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[Publications] 嶋田義仁(編): "アフリカにおける伝統王国の社会変化の比較研究2"静岡大学人文学部文化人類学教室. (2000)
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[Publications] 嶋田義仁.松田素二.和崎春日: "アフリカの都市的世界"世界思想社. 340 (2000)