1998 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア島嶼部諸民族における地方政治と政治文化の社会人類学的研究
Project/Area Number |
10041022
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
合田 濤 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (00106593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 泰明 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (90192640)
堀江 俊一 中京女子大学, 人文学部, 助教授 (50190244)
伊藤 眞 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (60183175)
馬淵 悟 北海道東海大学, 国際文化学部, 助教授 (50209681)
石井 眞夫 三重大学, 人文学部, 教授 (20136576)
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Keywords | 東南アジア / 地方政治 / エスニシティ / 土地権 / 慣習法 / 政治文化 / 都市・農村関係 / 農民族間関係 |
Research Abstract |
フィリピンでは、合田がベンゲット州バギオ市とその周辺において、山岳少数民族がスクワッターとして大量に都市に流入している実状を調査し、都市を構成する彼らのエスニシティ状況や棲み分けの実態、都市への適応戦略、行政側の政治的対応、都市・農村を結ぶネットワークについて調査した。玉置は、ケソン州において、都市近郊農村に住む少数民族アエタのコミュニティ、都市での経済活動、外部との関係、援助プロジェクトなどを調査した。バルボサは、レイテ島とその周辺において、漁民の生業活動をめぐって、特に漁業資源の管理・保護について地域住民とNGO、国家の相互関係について調査した。台湾では、馬渕が、海岸アミの宜湾の地域政治について、鎮、郷などの公的な行政組織、それぞれについての選挙の裏表、現在の各議員の背景と、カトリックを中心とした宗教組織と地域政治の関わりについて調査した。堀江は、台北市において客家運動について調査すると共に、新竹県において老人会・宗親会の活動と政党の関与を調査し、客家のエスニシティと政党活動との関連を明らかにした。マレーシアでは、石井がサラワクにおいて、ムラナウ族、イバン族の相互関係について現地調査を行い、イバン族の生活圏の拡大とそれに伴う、民族間関係の緊張化と紛争の事例について明らかにした。遠藤は、ヌグリ・スンビラン州において、慣習法の変化と政策の関係を調査し、土地の文化を「近代化を阻害する」と見る開発中心の政治から、観光資源として再評価する動きがあることを明らかにした。ホオッドは、ジョホール州において、マレー系住民と華僑・華人、インド人の棲み分け状況と相互関係について調査し、彼らの日常生活、開発や観光に対する観念の聞き取り調査を行った。インドネシアでは、伊藤が南スラベシ、ルウ県において、ルウ人とトラジャ人、イスラムとキリスト教徒の対立、土地争いに由来する村落間の戦争などの事例を調査した。
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Research Products
(1 results)