中東・北アフリカにおける音文化と表演文化の現代的変容に関する比較研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10041023
• Research Institution: HYOGO UNIV.OF TEACHER EDUCATION
• Principal Investigator: 水野 信男 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (50032511)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 鷹木 恵子 桜美林大学, 国際学部, 助教授 (60211330) ; 堀内 正樹 広島市立大学, 国際学部, 教授 (10209281) ; 川床 睦夫 中近東分化センター, 学術局, 主任研究員 (00260141) ; 西尾 哲夫 国立民族学博物館, 研究部, 助教授 (90221473) ; 小田 淳一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10177230)
• Keywords: モロッコ / フェズ / ヌーバ / 音楽院 / 伝承音楽 / 音風景 / シェフショウエン / 音文化

Research Abstract

1 モロッコにおける参与調査
(1)シェフショウエンにおいて、ヌーバ(アンダルス音楽)・フェスティバルを収録し、伝承音楽としてのヌーバの全容解明の手がかりを得た。
(2)フェズにおいて、市立音楽院のヌーバの演奏(デモンストレーション)を収録し、今後の研究のための貴重な音源を確保できた。
(3)フェズ旧市街において、その暮らしの音環境の実状を記録することができた。
(4)マグリブの伝統音楽ヌーバの系譜を、ラバト、フェズ、ティトゥアンの諸都市の音楽院で調査し、その伝承状況を把握することにつとめた。
(5)モロッコ各地の民俗音楽および民俗芸能を調査し、その一部を収録すると同時に、関連資料を収集した。
2 パリ・アラブ世界研究所での資料調査
同研究所において、モロッコの音文化と表演文化に関する多方面の資料収集を実施した。
3 収集資料の整理
国立民族学博物館において、モロッコ音文化に関する収集資料のデータベース化をおこなった。
(1)映像資料の編集とビデオテーク化。
(2)文献資料の分類と整理。
4 本研究課題の最終的まとめ
本研究課題は本年度が3年目で最終年度にあたったため、研究全体のまとめをおこなった。
(1)報告書(冊子体)の作成。
(2)3年間の研究成果としての諸論文の統合と公刊準備。
(3)今後、このテーマによる研究を、どのように継続展開すべきかを、討議した。

Research Products

• [Publications] 水野信男: "ウンム・クルスーム研究-レパートリーに投影するアラブ・イスラームの伝統"民族学研究. 65-1. 42-61 (2000)
• [Publications] 堀内正樹: "モロッコの音文化-イスラームと音の関係について"民族学研究. 65-1. 25-41 (2000)
• [Publications] 小田淳一: "Structure microscopique des recits folkloriques : modele descriptif du motif aux semes"アジア・アフリカ言語文化研究. 61(印刷中). (2001)
• [Publications] 小田淳一: "Description of the Structures of the Folklore : Using a Multiple Alignment Program of Bioinformatics"Senri Ethnological Studies. 55(印刷中). (2001)
• [Publications] 西尾哲夫: "中東イスラム世界における「聖者」発生の社会的・認識的メカニズム-エジプト・南シナイ地域の事例研究-"国立民族学博物館研究報告. (印刷中). (2001)
• [Publications] 西尾哲夫: "A Vocalized Judaeo-Arabic Commentary on the Song of Songs from the Cairo Genizah"Proceedings of the 3rd International Conference of Association Internationale de Dialectologie Arabe. 59-64 (2000)
• [Publications] 西尾哲夫: "Is Bedouin Arabic Prestigious ?: Examining the Ethno-Cultural-Fantasy"Islam in the Middle Eastern Studies : Muslims and Minorities. (印刷中). (2001)
• [Publications] 川床睦夫: "エジプト・シナイ半島トゥール・ラーヤ遺跡の発掘「海のシルクロード」の推移を探る"絲綢之路(文化財保護振興財団). 34. 8 (2000)
• [Publications] 川床睦夫: "エジプト・シナイ半島の港市ラーヤ遺跡の発掘調査"平成11年度古代オリエント世界を掘る(第7回西アジア発掘調査報告会)報告集(日本西アジア考古学). (印刷中). (2001)
• [Publications] 川床睦夫: "エジプトの総合開発計画とイスラーム考古学の危機"Japan ICOMOS Information. 4-11. 27-32 (2000)
• [Publications] 川床睦夫: "港を掘る-シナイ半島の港市遺跡"海のアジア2 モンスーン文化圏(岩波書店). 99-122 (2000)
• [Publications] 鷹木恵子: "北アフリカ・マグリブ地域の文化人類学的研究-その成果と動向"地域研究入門. 4. 142-194 (2000)
• [Publications] 水野信男: "ユダヤ音楽の旅"ミルトス. 285 (2000)
• [Publications] 西尾哲夫: "Senri Ethnological Studies 55"Cultural Change in the Arab World(印刷中). (2001)
• [Publications] 鷹木恵子: "チュニジアのナツメヤシ・オアシス社会の変容と基層文化-ジュリード地方とネフザーワ地方の比較研究"東京外国語大學アジア・アフリカ言語文化研究所. 166 (2000)
• [Publications] 鷹木恵子: "北アフリカのイスラーム聖者信仰-チュニジア・セダダ村の歴史民族誌"刀水書房. 412 (2000)