沖縄と中国雲南省少数民族の基層文化の比較研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10041028
• Research Institution: Okinawa Prefectural University of Arts
• Principal Investigator: 加治工 真市 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (10106586)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 久万田 晋 沖縄県立芸術大学, 附属研究所, 助教授 (30215024) ; 柳 悦州 沖縄県立芸術大学, 附属研究所, 助教授 (70200532) ; 波照間 永吉 沖縄県立芸術大学, 附属研究所, 教授 (30189576) ; 星野 紘 国立文化財研究所, 芸能部長 (30311161) ; 赤嶺 政信 琉球大学, 法文学部, 教授 (40192893)
• Keywords: 雲南省の少数民族 / 沖縄 / 伝統(基層)文化 / 祭祀 / 少数民族語 / 基礎語彙 / シャーマニズム / 芸能・民族音楽

Research Abstract

平成12年度は、過去2年の調査・研究のとりまとめのために1回の調査予備会議と中国現地調査、調査研究の成果を交換する研究発表会を公開で開催した。そして、その成果を報告書にまとめた。
調査予備会議は、中国現地調査に先立つ7月下旬に沖縄で実施し、前年度までの調査成果の確認と共に、本年度の調査の対象と調査方法について討議し、確認を行った。
中国現地調査は2000年8月22日から29日にかけて実施した。今年度の調査は雲南省麗江地区の納西族を中心とした少数民族の言語・宗教・神話・民俗芸能・民族音楽の調査を行った。今回の現地調査は麗江地区寧浪県永寧郷のモーソー(摩梭)人母系社会の言語・民俗・文化を対象としたものであった。調査分野の分担は、モーソー人の言語を加治工真市、神話・歌謡・信仰を波照間永吉、民俗芸能を星野紘、大城學、親族・宗教・生業・住居を赤嶺政信が調査した。調査は中国側研究者も参加する共同調査である。また、現地調査に先立って、昆明の雲南大学と楚雄市の楚雄高等師範専科学校で開催された「第2回日中民俗文化学術シンポジウム」(8月17〜21日)に参加し、日中の多くの研究者と研究成果の交換を行うことができたことは特筆すべきことである。
公開研究発表会は10月11日に沖縄で開催した。日本側研究者の全員が、この研究プロジェクトによって得た中国少数民族文化調査の成果および沖縄文化研究の成果をもとに研究発表会に参加した。なお、この研究発表会に先だって、沖縄県八重山の仮面来訪神の祭祀(石垣市川平2000年10月7日)、豊饒予祝祭(竹富町祖納2000年10月8〜9日)の調査を日中合同で行った。
本調査の研究成果は、日中の個々の研究者が調査報告・論文として提出したものをまとめ、印刷物として公刊する。報告書の内容は以下の通り。加治工真市「哈尼語、摩梭語の基礎語彙」、星野紘「神歌にみる沖縄と雲南の類似点-農耕始めの叙事歌-」、柳悦州「雲南省緑春県と元陽県の織機」、大城學「稲作儀礼と仮面神」、波照間永吉・張正軍「彝族の挿花節」、波照間永吉「雲南省元陽県の哈尼族文化(報告)(1)(2)」、赤嶺政信「雲南省哈尼族の宗教(覚書)」、久万田晋「雲南省楽器調査報告」。

Research Products

• [Publications] 加治工真市: "哈尼語、摩梭語の基礎語彙"「沖縄と中国雲南省少数民族の基層文化の比較研究」報告書. (未定). 1 (2001)
• [Publications] 波照間永吉: "沖縄・八重山の稲作儀礼と仮面神"「稲作と祭祀-第二回中日民俗文化国際シンポジウム」報告書. (未定). (2001)
• [Publications] 大城學: "稲作儀礼における予祝芸能と禁忌"「稲作と祭祀-第二回中日民俗文化国際シンポジウム」報告書. (未定). (2001)
• [Publications] 大城學: "中国雲南省少数民族の民俗"文化課紀要. 17(未定). (2001)
• [Publications] 星野紘: "神歌にみる沖縄と雲南の類似点-農耕始めの叙事歌-"「沖縄と中国雲南省少数民族の基層文化の比較研究」報告書. (未定). (2001)
• [Publications] 柳悦州: "雲南省緑春県と元陽県の織機"「沖縄と中国雲南少数民族の基層文化の比較研究」報告書. (未定).
• [Publications] 星野紘(共著): "歌・踊り・祈りのアジア"勉誠出版. 424 (2000)
• [Publications] 大城學: "沖縄芸能史概論"砂子屋書房. 462 (2000)