1998 Fiscal Year Annual Research Report
中国における環境教育・行政の中での日本の公害経験と環境対策
Project/Area Number |
10041061
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
明日香 寿川 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (90291955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 大椿 中国人民大学, 哲学系, 教授
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Keywords | 環境教育 / 日本の公害問題 / 中国の環境問題 / 日本の環境分野の国際協力 |
Research Abstract |
本年度は、主に中国における環境意識および環境教育の実態に関する資料収集や関係者に対するインタビュー調査などを行った。具体的には、中国の学校や職場における環境教育の現場において、実際に学生や労働者たちに対して、日本の公害問題(特に水俣病やイタイイタイ病などの健康被害)やエネルギー政策に対する認識などについて質問を行った。その結果、中国においては日本の公害経験に関するある程度の認識があることが明らかになった。また、決して十分ではないものの、単に学校だけではなく、職場やメディアをとおしての教育や啓蒙が積極的に行われていることも明らかになった。将来的には、環境保全に関する非政府組織(NGO)の存在が中国においても大きな影響力を持ちうる可能性があることも確信した。さらに、大連や北京などでは、温室効果ガス排出、騒音、振動などで環境に大きな影響をおよぼす自動車交通に関しても、自家用車利用を抑制し公共交通利用を将来的に維持する教育を推進するための基礎調査を行った。具体的には、北京市民および大連市民を対象として、交通行動実態、自動車保有の実態と意向、環境に対する意識を調査して、行動と意識の相互作用を分析するためのデータを収集した。このデータは,日本および韓国でも実施した同様の調査結果と相互比較することにより経済発展、モータリゼーションの段階が及ぼす影響を考慮した誘導教育方策の検討に用いられる。
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