1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041077
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
尹 大栄 静岡県立大学, 経営情報学部, 助教授 (30258305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 茂美 武蔵大学, 経済学部, 助教授 (30258496)
王 効平 北九州大学, 経済学部, 助教授 (50223706)
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Keywords | ネットワーク / アジア系企業 / 国際比較研究 / 複合的な経営方式 / ビジネス・システム / 経済・社会制度 / 文化 / 日本的経営 |
Research Abstract |
本年度は、文献研究及び予備的な現地調査(台湾、香港、韓国)を実施した。現地調査では、各国おける主な研究機関(大学を含めて)といくつかの企業へのヒアリング調査を行い、以下の成果を上げることができた。 ・ まず、多くの現地研究者との議論やセミナーでの研究発表などを通じて本研究のテーマに対する様々なアドバイスが得られ、本研究の枠組みや概念規定を明確にすることができた。また、今後の現地におけるアンケート調査や共同セミナー開催の可能性について、訪問研究機関の研究者から具体的な指示及び支援申し出を引き出すことができた。 ・ 韓国、台湾、香港などアジア企業の多くはアメリカ的、日本的、現地的な特徴をミックスした複合的な経営システムを確立している。韓国企業と台湾企業は、同様に日本的経営システムを学習しながら、その受け入れの程度にはかなりの差異があった。韓国企業は日本的経営システムをより積極的に取り入れたのに対して、台湾企業は必ずしも積極的に採用しなかった。一方、企業間で差異は見られるものの、台湾企業・香港企業の多くはよりアメリカ的な経営システムを導入している。しかし、そこには現地的な要素も存在しており、経営システムに複合性が観察される。 ・ この地域の企業経営の大きな特徴として、目に見えない人と人と関係のあり方が企業経営に重要な影響を及ぼしているという事実が確認された。例えば、韓国財閥企業におけるオーナー経営者間の「婚姻ネットワーク」がもつ競争制限性や中国系企業における「関係(クァンシ)」の機能など。
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