1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 一般 |
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
尹 大栄 静岡県立大学, 経営情報学部, 助教授 (30258305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 茂美 武蔵大学, 経済学部, 助教授 (30258496)
王 効平 北九州大学, 経済学部, 助教授 (50223706)
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Keywords | 組織 / 経営システム / デュアル・コンティンジェンシー / 社会・文化要因 / 適合 |
Research Abstract |
本年度の優先課題は本研究の概念的枠組みを明確にすることであったが、現地調査(昨年;台湾・香港・韓国、今年;中国・韓国・タイ)の成果として、われわれは一つの理論的仮説(「デュアル・コンティンジェンシー・モデル」)を提示することができた。 デュアル・コンティンジェンシー・モデルは、「組織の機能的な内部特性の設計において、外部環境要因と社会・文化要因からの二重の拘束を受ける」ということを基本的な命題とするものである。これまでのコンティンジェンシー理論は、組織内部の特性を外部環境特性(市場、技術などのタスク環境)との適合(congruence)という観点から捉えている。しかし各国の現地調査を通じてわれわれが観察したところによれば、組織の内部特性は、単に外部環境特性のみではなく、当該組織がおかれた国特有の社会・文化特性によっても大きく規定されていることが確認できた。デュアル・コンティンジェンシー・モデルにおける基本的な仮説は、次の通リである。 (1)仮説1;経営システム(組織構造や戦略)の設計において、外部環境特性と社会・文化特性の両者への配慮が高いほど、企業業績が高い。 (1)H1-a:外部環境特性への適合のみに配慮している企業は、相対的に企業業績が低い。 (2)H1-b:社会・文化特性への適合のみに配慮している企業は、相対的に企業業績が低い。 (2)仮説2;地域(国)ごとの経営システムは、その国における外部環境特性と社会・文化特性の相違のために、それぞれ異質な特性を示す。 (3)仮説3;高業績企業の経営システムは、国ごとに異なる。
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